「アジア太平洋アマチュア選手権」は2009年から始まり松山英樹は2010、11年と連覇し、11年にはマスターズでローアマに輝いた。それから10年後の2021年のマスターズで優勝を遂げたことは記憶に新しい。つまり、「アジア太平洋アマチュア選手権」からマスターズ覇者への道は始まっていたということになる。松山英樹の後に続いた金谷拓実は18年に今大会を制しマスターズでは見事に予選を通過、世界アマチュアランク1位のマコーマックメダルも獲得し、「三井住友VISAマスターズ」でアマチュア優勝も遂げ現在につながっている。
驚くのはアジア地域の選手権だというのに、アリゾナ、フロリダ、テキサスなど有名大学に在籍する選手が多いことだ。日本勢の3名も欧陽子龍選手はオクラホマ州立大、阪根竜之介選手はフロリダ州立大の大学院、森山友貴選手はオレゴン大学に在籍しながら腕を磨き今大会に出場している。
今大会を現地でサポートするテーラーメイドの真野義英ツアー担当に、現地からのレポートを依頼。すると現地ではハイウェイ沿いの巨大な看板と入場パスに10年前に今大会を制した松山英樹とマスターズで優勝を遂げた松山英樹がメインキャラクターとして取り上げられていることからも、アジアのゴルフ市場は急速に発展していて、世界のゴルフ界もそこに注目していることが見て取れるとのこと。松山英樹がそのロールモデルとして大きな役割を果たしたことはアジアのゴルフ界にとっても非常に大きな影響を与えているようだ。
選手たちが在籍するアメリカの大学は、成績が悪くなると試合に出場できなくなるので文武両道でなければならないことは知られているが、ゴルフの成績次第ではより強い大学に移籍しキャリアアップを図ることも頻繁に行われているという。
「選手たちの在籍する大学はかなりの名門大が多いので勉強も大変だと思います。移籍もメジャーリーグのように結構頻繁に行われているようで、阪根選手はジャクソンビルからフロリダ州立大に、欧陽選手はサンディエゴからオクラホマ州立大へと移籍しより強いチームでプレーすることを選択しています」(真野義英)
より厳しい環境に身を置き、さらに上を目指す意識とグローバルな視点を10代から身につけた彼らはゴルフだけでなく、勉強している各分野に向っても活躍することだろう。
気になる初日の順位は、中島啓太4アンダー首位タイ、河本力と阪根竜之介は2アンダー12位タイ、杉浦悠太、欧陽子龍、森山友貴はイーブンパー34位となっている。真野義英ツアー担当によるとコースはビッグスコアが出せるコースセッティングのようで、最終日までどんな展開が待っているか目が離せないとのこと。マスターズへの切符を手にするのは一体誰になるのか?注目してみよう。