「まずグリーンのスピードによって距離感が合わない理由は『自分のベースが決まっていないから』です。自分のベースが決まっていると、グリーンのスピードによって振り幅をどれほど変えるべきかが決まり、ベースへ戻って考えることも可能。だけど、ベースがない場合はグリーンのスピードによってストロークの強弱を決めるためタッチが合わないですし、戻る場所がないから迷子になってしまうと思うんです」
時折出くわす極端に遅いグリーンではショート、翌週に別のゴルフ場へ行くと今度はオーバー……なんて経験をしたことあるゴルファーは少なくないはずだ。これは「ベース」がないことで起きること。逆に言えば「ベース」を作ることによって、タッチが全く合わない状態から脱却することできるというわけだ。
「ベースを作るためには自宅にある練習マットで十分。1歩の距離でコロンとカップインする振り幅を見つけて、ベースを作っていきます。このときに常に同じ振り幅でストロークすることがポイントになりますから、ティーやマーカーなどで振り幅に目印を置くことをオススメします」
それができたうえで高久は「自分のリズムとテンポを身につけましょう」と続ける。
「私はスマホのメトロノームアプリを使用することを勧めます。パターのリズムでいいと言われている90テンポに設定をして、音を聞きながらストロークすることでリズムやテンポが一定になります。日頃の練習から取り入れておくと、ラウンド中も頭の中にイメージが染みついているため、記憶から引き出しやすい。それに緊張した場面でもストロークが早くなってしまうなんてことも避けられますから」
とはいえ、メトロノームをどうやって使用していいのかわからないというゴルファーも少なくないようだ。そんなゴルファーに高久がオススメしているのが「音ではなく目で身につける方法」だという。
「私は針派で、スマホをボールの近くに置いて画面に表示されるメトロノームの針の動き通りにヘッドを動かすように意識しています。音に合わせることが苦手……というゴルファーも見ながらストロークすることでリズムは一定になるはずですよ。また、90テンポをベースにしている名曲も多いですから、自分の好きな曲を聞きながらパターのテンポを身につけるという方法もいいと思いますよ!」
こうして振り幅とリズムでベースが作れたら、コースですぐ実践するのではなく「スタート前に必ず最終調整をしましょう」と高久はいう。
「スタート前に練習グリーンで、1歩の距離から作ったベースの振り幅でストロークして、いつもよりショートするのか、オーバーするのかを確認します。仮にオーバーしたとしたら、ボール半個分ずつストローク幅を大きくしてコロンっとカップインできる振り幅を見つけていきましょう。そうすることで、全然タッチが合わないということは少なくなるはずですよ」
さまざまなゴルフ場でプレーをするゴルファーにとって遅いグリーンを攻略できずに悩んでしまうというゴルファーはぜひ参考にしてみてはいかがだろうか?