現代のゴルフクラブは、昔に比べて、ヘッドの容量が大きくなるとともに、重心距離がかなり長くなりました。このようなクラブは、スウィング中にフェースが開くとスクエアに戻りにくいという性質があります。そのため、ツアーでは、フェースをシャット(閉じ気味)に使い、フェースローテーションを抑えて打つスウィングが主流になっています。
ここで注目されるのがトップで左手首を掌屈する(手のひら側に折る)動きです。左手首を掌屈することでフェースを閉じ、その手首の角度を保ってインパクトすることで、フェースローテーションを抑えているのです。
ダスティン・ジョンソン、ジョン・ラーム、コリン・モリカワなど、掌屈の動きは多くの選手に見られます。とはいえ、アマチュアゴルファーの方がこの動きを取り入れることは、あまりおすすめできません。
トップで手首を掌屈させるためには、手首や肩周りにかなりの柔軟性が必要になります。しかし、ほとんどの一般男性は、この柔らかさを持ち合わせていません。そういうプレーヤーが無理に掌屈を試みれば、力みにつながるだけでなく、ケガをする恐れもあるからです。
では、一般男性がフェースをシャットに使い、フェースローテーションを抑えるにはどうしたらいいか? そのヒントになるのが、ローリー・マキロイです。
マキロイを見ると、ストロンググリップ(左手の親指が、クラブの真上よりも左にある握り方)で握り、トップで左腕と左手甲が真っすぐか、やや左手首が甲側に折れているのがわかります。
このように、ストロンググリップで握って、トップで左腕と左手甲をラインナップさせると、フェースをシャットに使うことができます。あとは、その手首の角度を保ってスウィングすれば、フェースローテーションも抑えられる。つまり、掌屈と同じ効果が得られるわけです。
手首や肩周りの硬い人でも、この動きであれば容易に取り入れられるはず。ですから、フェースシャットでローテーションを抑えたスウィングに挑戦するときには、ぜひ参考にしてもらいたいと思います。