3日目に『63』をマークしレクシー・トンプソンと並んで首位タイに浮上したネリー。最終日も快調なペースでスコアを伸ばし一時20アンダーで単独トップに立ったが17番で落とし穴が待っていた。
「レクシーと一緒でそこまでは2人でジョークを言い合いながらすごく楽しいラウンドだったんです。でも17番はグリーン上が荒れていて思うようなパットが打てなかった」と痛恨のトリプルボギーでトップから陥落。一転2打差に後退してしまったのだ。
「ピンチでも“頑張って自分”“楽しみなさい”って語りかけていたけれどあのトリで希望を失いました。さぁ、来週また頑張ろうと諦め半分気持ちを切り替えた」とネリー。しかしキャディのジェイソンはそうは思っていなかった。
「なんでもいいポジティブなことを考えよう。さぁ、これから1分間ネガティブシンキングは厳禁!」とキャディにいわれ「パーでいいや」と思っていた難しい18番で絶妙のパットを入れてバーディ。レクシーがボギーを叩いたことで首位に4人(2人の他リディア・コ&連覇を狙うキム・セイヨン)が並び決着はプレーオフにもつれ込んだ。
サドンデス1ホール目の18番で6メートルを沈めこの日2つ目のバーディを奪ってあっさりと優勝を決めたネリーは「最高のパットを2回続けて打つことができた」と感無量。
「昔から怒るといいプレーをする癖があるんです。だから父は一緒に回るといつも、わざと私がイラつくような発言ばかり。17番のトリプルみたいな状況で自分に腹を立てたことがこういう結果につながったのかもしれません(笑)」
シーズン4勝だが東京オリンピックでの金メダルを合わせると5勝目。4勝の中には自身初のメジャータイトル(KPMG全米女子プロゴルフ選手権)が含まれている。
「東京で金メダルを獲って表彰台の一番高いところに立ったときには全身に鳥肌が立って感情が込み上げました。マスクをしてて良かった。涙でくしゃくしゃになった顔を少しでも隠せたから」と真夏の感動を振り返ったネリー。
「あまりにも長いシーズンで2月のゲインブリッジでの優勝はもう何年も前のような気がします。それぞれの勝利に意味があったし、ソルハイムカップの後はバーンアウト気味だったのできちんと試合を休んで休養を取り、ゴルフの調子を立て直して今回勝つことができた。成長を実感できる1年でした」
残るは最終戦のCMEグループ・ツアー選手権のみ。現在年間女王争いのポイントランクは2位。世界ランク1位を奪い返した23歳のコルダがコ・ジンヨンとの年間女王争いもこの勢いで制してみせる?