ドライバーは自分に合わせて使うもの、クラブは試打して買う、が浸透してきた現在、もっと飛ばしたいと思うゴルファーが気になるのはカスタムシャフトだ。グラファイトデザイン、フジクラ、三菱ケミカル、USTマミヤが4大メーカーといわれ、毎年しのぎを削っている。USTマミヤの「アッタスKING」が登場して新しい4モデルが出揃った。さて現時点での人気はどうなのだろう?
絶好のスタートを切ったのはフジクラ「スピーダーNX」といえるだろう。女子プロを中心としたプロモーションを早くから開始。あの人気の「スピーダーエボリューション」シリーズから大胆なシフトチェンジが不安視されたが、いまのところ人気ナンバー1のようだ。
「これはひと言でいうとやさしい『VENTUS』。誰にでも使えるマイルドなしなりとクセのなさ。それでインパクトで当たり負けせずに少しヘッドが走る。飛距離が伸びる人も多いでしょう」(堀越良和プロ)
「初めてリシャフトする人や、リシャフトするには少し背伸びをしなければならなかったヘッドスピード40m/s前後のゴルファーが使って結果が出るシャフト。それでいてヘッドスピードが速めのゴルファーにも対応している」(ゴルフステージ成城・吉田朋広氏)
使う人を限定しすぎない中調子、しなやかなしなりの中に走る感触、そして大型ヘッドの打点のブレに当たり負けしない強さが人気の理由だ。
松山英樹ら人気プロが使って手放さないグラファイトデザインの「ツアーAD DI」。その特性に似ていて大型ヘッドに対応させたと言われるのが「ツアーAD UB」。鮮やかなブルーが目を引き、グラファイトデザインらしい、しっかりめの中調子でスピンが抑えられて強い球が出る。一瞬ではあるが松山英樹が使用し、アマチュア優勝を果たした中島啓太が使うこのモデル。青いコスメがなんともカッコよく見え、一般のゴルファーが使いこなせないとしてもドライバーに挿してみたい、憧れのシャフトナンバー1といえよう。
「ツアーADシリーズのなかでも結構ハード。しっかりしていてある程度自分のスウィングでボールをつかまえられる人が本当に性能を引き出せるシャフト」(堀口宣篤)
いわゆる純正シャフトのSを打ちこなせるくらいでは、このモデルのSを打つのは厳しいと思われるアスリート向けのシャフト。ボールの上がりすぎを防いで飛距離を伸ばすシャフトなので、ボールが上がりすぎているハードヒッターの人にはマッチしそうだ。一般のゴルファーが選ぶなら「1フレックス軟らかめ、軽め」と頭に入れておきたい。
USPGAでトップの選手が使用、そこから人気に火が付き日本でもブレイク、「逆輸入シャフト」のパイオニアが三菱ケミカルの「ディアマナ」シリーズ。今回のモデルは「PD」。
「中弾道で強く飛ばしてくれるシャフト。スウィングのタイプを選びませんが、吹き上がらずしっかりしています」(中村修)
「このシャフトはどの重量帯、硬さを打ってもシャフトのしなり、動きがまったく一緒という珍しいモデルです。いままでの人気シャフトはどのメーカーのものでも重量帯によって味付けが違うもの。この『ディアマナPD』はすべて同じ動きをします」(吉田朋広氏)
なかなかハードな仕様でヘッドスピード速めで、ボールが上がりすぎる人向け。だから万人向けとはいかないため、人気は少し落ちる。重心が長め、深めのヘッド、たとえばピンのヘッドと組み合わせると少しマイルドに感じるという。
最後発ながらグングンと評価を上げているのが「アッタスKING」。「アッタス」シリーズ13番目ということで、巷で「ジェイソンじゃないか?」「いやゴルゴだろ」と言われた期待のネーミングは「キング」。9番目のモデル「クール」につぐ先調子のモデルだが、堀口プロのコメントのように感じるゴルファーが多いようだ。
「コンセプトどおりつかまるシャフトです。ヘッドが走って返ってくる感じがします。ある程度振れる人は普段の重量帯より上のモデル、もしくは1スぺック上を選ぶといいでしょう」(堀口)
つかまりすぎて左へのミスが出ると「クール」で感じた人も多いだろうが、これは「1スペック上」を選ぶことでズバリ解消される。1スペック上を選ぶと心地よいヘッドの走りで気持ちいいドローが打てると感じる人が多くいまはこれが「アッタスキング」の選び方とも言われている。振り抜きも爽快でなかなかの評判。「スピーダーNX」を猛追しているという。
使う人にマッチすることはもちろん、口コミや使うプロの成績で人気が左右されるシャフトたち。今後、さらに参考になる選び方や人気に変動があればレポートしたい。