今日から始まったエリエールレディス。この大会は、賞金女王争いはもちろん、シード権争いにも注目が集まる大会。今大会で来年のシードが確定、その当落線上にいる選手にとっては、いわば“職場”を決める大事な試合というわけです。そのため、毎年エリエールレディスの会場はどこか異様な雰囲気のなか行われているんです。
そんななか迎えた初日は快晴無風、絶好のコンディションとなり、多くの選手がスコアを伸ばす展開になりました。トップは7アンダーで3人が並び、そのうちのひとりは、現在賞金ランク54位、シード獲得に“崖っぷち”の柏原明日架選手です。

「エリエールレディス」初日、トップに立ったのは現在賞金ランキング54位の柏原明日架
柏原選手は2019年シーズンに2勝を挙げ、シードを獲得したものの、今年は思うように調子が上がらず苦しいシーズンを送っています。
現状については本人も理解していて、大会前「今年はショットの精度が圧倒的に悪かったですね。これだけ曲がったら戦えないな、と。開幕から結果が出ないで、そのなかでいろんなことを試したんです。でも、その“いろんなこと”が裏目に出てしまった感じですね。ただ、夏の終わりくらいから考え方がシンプルになってきて、自分のやるべきことが少しずつ明確になってきました。それからですかね、成績も少し出始めたのは」と話していました。
しかし、技術が追いついてきてもスコアに直結しないのがゴルフの難しいところです。
「本当に少しずつ。という感じ。取り組んでいることが結果に結びつかなかったりすると焦りも出てきますし、若い子の台頭もスゴイ。現実を受け止めないといけないんですけど、気持ちの面をなかなかうまくコントロールできなかったですね」(柏原)

どんな状況になっても諦めずに強気で行こうと決めた柏原。逆転シードも見えてきた!
気持ちの面で転機が訪れたのは先月行われたマスターズGCレディス。高額賞金の大会であることや、ディフェンディングチャンピオンとして臨む大会ということで、かなり気合いが入っていたとのことですが、結果は予選落ち。そこで気づいたことがあると話していました。
「その時点で、賞金ランクは多分51位とか52位くらいだったと思うんですけど、『この試合でシードを決めたい!』『楽になりたい!』と思う自分がいるいっぽうで『もしダメだったらどうしよう……』と弱気な自分もいました。結果予選落ちになってしまい、そのとき少しでも弱気になったらダメなんだと、強く思いました。どんな状況になっても諦めずに強気で行こうと決めました。それ以降、自分を信じてプレーできるようになってきました」(柏原)
強気とはいうものの、プレーや攻め方を変えることはせず、あくまでも気持ちの持ち方だと、自分に言い聞かせるように強調していました。
「ショットメーカーではない自分を理解しています。無理に攻めないでしょうもないミスはしないように、です。それにまだ初日ですし、ほかにも強い選手がたくさんいる。自分も最後まで諦めずに戦って、優勝を目指したいです」(柏原)
絶好のスタートを切った柏原選手。今日の表情やプレーを見ていると、とてもボーダーラインにいる選手とは思えません。一発逆転シード、大いにあると思います!
写真/岡沢裕行
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