国内女子ツアー今季6勝、トップ10フィニッシュも計21回と好調が続く古江彩佳。そんな古江のスウィングを、成田美寿々、穴井詩らのコーチを務める井上透コーチが解説する!

まず、正面からアドレスを見ると、かなりフックグリップで握っていることがわかります。これは、意識的にやっているというよりも、ジュニア時代、感覚的に球をつかまえようとしたことで自然にそうなったものだと思われます。

画像: アドレス時の手元に注目すると、かなりフックグリップでクラブを握っている。後方から見るとクラブを少し短く握り、コントロール性を高めていることがわかる(写真は2021年のニチレイレディス 撮影/大澤進二)

アドレス時の手元に注目すると、かなりフックグリップでクラブを握っている。後方から見るとクラブを少し短く握り、コントロール性を高めていることがわかる(写真は2021年のニチレイレディス 撮影/大澤進二)

このフックグリップによって球のつかまり感を出し、その結果、非常にシンプルな動きを獲得しているのが、古江彩佳選手の特徴と言えるでしょう。

たとえば、ダウンスウィングで体に対してクラブが遅れて下りてくると、フェースが開いている感覚になりやすいものです。しかし、フェースが開いていると感じれば、それをスクエアに戻そうとする動作が生じ、スウィングが複雑になってしまう恐れがあります。

画像: ボールより先で腕とクラブが一直線になっているのはクラブからボールへ効率的に力を伝えている証拠(写真は2021年のニチレイレディス 撮影/大澤進二)

ボールより先で腕とクラブが一直線になっているのはクラブからボールへ効率的に力を伝えている証拠(写真は2021年のニチレイレディス 撮影/大澤進二)

その点、フックグリップで握っていると、クラブが遅れて下りてきても、フェースをスクエアに保ちやすい(球のつかまり感を出しやすい)。その結果、フェースをスクエアに戻す動作はなくなり、体を回転し続けるだけでボールをとらえられる、シンプルな動きが構築しやすいのです。

古江選手のスウィングは、まさにそのシンプルさを体現したものと言えます。ダウンスウィングで、フェースがやや地面に向いているのは(ボール方向を指しているのは)、球をつかまえる準備ができている証拠。そこから腕はなにもせず、お腹が完全に目標に向くほど体を回転させ、淀みなくボールをとらえているのがわかります。

画像: お腹が目標を指すくらい体を回転させる(写真は2021年のTポイント×ENEOSゴルフトーナメント 撮影/大澤進二)

お腹が目標を指すくらい体を回転させる(写真は2021年のTポイント×ENEOSゴルフトーナメント 撮影/大澤進二)

彼女の小気味よいリズムとキレのある動きは、このシンプルさのおかげ。ある意味、フックグリップのお手本のようなスウィングと言えるでしょう。

【古江選手のココをマネろ その1】
球のつかまらない人、スライスに悩んでいる人などは、フックグリップで握り、古江選手のような、フェースがやや地面を指すダウンスウィングを目指す。そうすることで、球のつかまり感が出て、飛距離と方向性がアップしやすくなる。

【古江選手のココをマネろ その2】
アドレスを後方から見ると、クラブを少し短く握り、コントロール性を高めていることがわかる。長く握ったからといって、ミート率が落ちれば飛距離は出ない。アマチュアゴルファーには参考にしてもらいたいポイントだ

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