エリエールレディス2日目。今日も昨日同様、天候に恵まれビッグスコアを出す選手がゴロゴロ出てきそうな予感……。そして予想通り、この日も多くの選手がスコアを伸ばす展開になりました。例年なら風が吹き、それにともない寒さも増すことで選手たちを苦しめていたのですが、今年は今のところその気配がなく、選手たちは気持ちよさそうにプレーしていますね。
今日は、5アンダーくらいを出すのは当たり前、小祝さくら選手にいたってはこの日だけでなんと8アンダーという驚異的なスコアを出していました。そんな好条件のなか、トップに立ったのはこの日7アンダー(ノーボギー)を出した三ヶ島かな選手と、昨日に続き好調をキープした柏原明日架選手。
そして、注目の賞金女王レースですが、稲見萌寧選手が17位タイ(5アンダー)、古江彩佳選手が38位タイ(2アンダー)につけています。
そしてそして、忘れてはいけないのが、この試合を最後にアメリカへ旅立つ渋野日向子選手。この日3アンダー、通算5アンダーで稲見選手と同じ17位タイで決勝ラウンドに進出しました。
渋野選手と言えば、春先にスウィング改造が大きな話題になりましたが、夏ごろからその取り組みの成果が出てきたのか、飛距離アップしている様子がうかがえました。7月末に行われた楽天スーパーレディスのとき、トレーナーの斎藤大介氏に飛距離アップについて聞いてみたところ「筋力アップではなく、取り組んでいるスウィングに体が慣れてきた。だから飛距離も戻ってきたんだと思います。そこにスピードが加わったらもっと飛距離は出るはずです」と話してくれました。
さて、それから3カ月。渋野選手は以前にも増して飛距離が伸びているように感じるのです。一緒に回っていた飛ばし屋の勝みなみ選手と同じくらい、何ホールかは渋野選手が前にいることもありました。これは間違いなく飛んでいる……。
そこで改めて斎藤トレーナーに聞いてみました。
「夏以降、回転スピードを生むトレーニングを行っています。体の基礎ができてきたから、スピードトレーニングを加えることでより速く強いスウィングができるようになってきたと思います。それが飛距離につながっているんじゃないですかね」
斎藤トレーナーが言う“基礎”とは、自分自身の体をコントロールできることだと言います。
「筋肉をどう動かしたら、体はこんな風に動く。僕は、それを自分自身で理解し、コントロールできることを“基礎ができている”と呼んでいます。自分の体をコントロールできてはじめて、そこから負荷をかけ、どんどん強化していく。渋野選手は今、その基礎ができている状態。だからこの冬、もっと飛距離アップすると思いますよ。体に関しては、まだまだ伸びしろがたっぷりあります」(斎藤氏)
スコアだけをみると、少しもの足りない感じもしますし、渋野選手本人も「もう少しマシなゴルフがしたい」と嘆いていました。しかし、今取り組んでいることを考えると、これも『進化の途中』なのでしょう。それに、あらゆることを試しながらも、しっかりと決勝ラウンドに残るあたり、さすがです。日々進化している渋野選手ですが、日本で見られるのも今年はあと2日。じっくり堪能したいところですね。
写真/岡沢裕行