ヤマハから10月末に発売された「RMX VD」シリーズ。今平周吾、谷口徹らが使用するドライバーはもとより契約外の選手もツアーで投入するというFWをはじめとしたシリーズの実力をプロゴルファー・中村修がコースでプレーしながらテストした。

ヤマハの「RMX VD」シリーズを使ってラウンドする機会に恵まれました。ドライバーからアイアンまでインドアで試打はしていたものの実際にラウンドしてみると、どのモデルにも機能と特徴があってヤマハのクラブの進化を感じ取ることができました。

画像: 左から「RMX VD ツアーモデル」、「RMX VD」、「RMX VD40」

左から「RMX VD ツアーモデル」、「RMX VD」、「RMX VD40」

まずはアイアンから。見た目にもインパクトのある「VD40」はネック部分に特徴的な出っ張りがあり、トウとヒール側に重量を配分し打点のブレに強く飛距離ロスも少ないというふれこみ通りの性能でした。構えてみるとネック部の突起はホーゼルに隠れ見えなくなるため、少しフェースの大きなアイアンにしか見えず、打ってみるとボールが真っすぐ飛びんでとにかくやさしい。室内の試打ではわからなかった、いちばんの驚きはソール形状による抜けのよさです。少しのダフリなら芝の上を滑り、ヘッドスピードの低下を抑えてボールにコンタクトしてくれる。7番のロフトは30度ながら、球も上がりやすくゴルフをやさしくしてくれるのは間違いなさそうです。

新モデルの3機種の中では真ん中に位置する「VD」はバックフェースが大きくえぐれたポケットキャビティでロフトは7番アイアンで31度とちょい飛び系のアイアンです。ポケットキャビティにありがちな頼りない打感ではなく、ある程度しっかりした打感で好感触。球のつかまりがよくて飛距離も申し分なく、「VD40」ほどではありませんがミスを最小限にしてくれるソール形状も好印象でした。他社では中空構造の複合素材モデルがトレンドになっていますが、適度にフェースも大きくシンプルな構造ゆえの打感のフィードバックも感じられる点もよかったですね。

画像: 打点のズレをカバーできるようソール形状に工夫を凝らしモデルによっても変化をつける

打点のズレをカバーできるようソール形状に工夫を凝らしモデルによっても変化をつける

そして「VD ツアーモデル」、ロフトは7番で34度。単一素材で打つ吸いつくような打感のよさ、ダウンブローで入ったときの切れ味の良さ、打点のフィードバックなどプロや上級者が好む要素が詰まったモデルに仕上がっています。プロモデルを使用してみたいパワーのあるアスリートゴルファーにオススメできるモデルです。

画像: 国内男子ツアーでは契約外の選手もバッグに入れるという「RMX VD FW」

国内男子ツアーでは契約外の選手もバッグに入れるという「RMX VD FW」

続いて谷口徹選手が営業マンのごとくツアー会場でほかの選手に宣伝しているという噂のフェアウェイウッド「VD FW」です。顔つきはストレートで構えやすく、ヘッドも大き過ぎず適度なサイズ感。チタンボディにソールは比重の重い素材、ベータチタンのフェース、カーボンクラウンと4種類の素材を組み合わせたからなのか、飛距離、球の上がりやすさ、打感のどれをとっても実戦で武器になる仕上がりだと納得しました。

とくに感じたのは3Wの飛距離と5Wの球の上がりやすさです。キャロウェイやテーラーメイドに代表される飛ぶと言われる3Wに引けを取らない飛距離性能と打感、5Wのコントロール性はシャフトをカスタムしてバッグに入れたいと思わせてくれました。開発、素材、製法にコストをかけ過ぎてしまったとメーカーの担当者は苦笑いしていましたが、契約外の選手が投入するほどのよいものに仕上がった成果につながったのではないでしょうか。

画像: チタン製ボディに高比重素材のソール、ベータチタンフェース、カーボンクラウンと4種類の素材を組み合わせたフェアフェイウッド(写真/三木崇徳)

チタン製ボディに高比重素材のソール、ベータチタンフェース、カーボンクラウンと4種類の素材を組み合わせたフェアフェイウッド(写真/三木崇徳)

最後にドライバーは、今平周吾らのツアーで投入されている「VD」と慣性モーメントがルールギリギリの5900g・c㎡の「VD59」の2機種。どちらも20グラムの可変ウェートがソールに装着されているので持ち球に合わせられる調整の幅の広さと同時に他社に引けを取らない飛距離性能を感じました。量販店などで計測してみる機会があれば、ご自分のドライバーと5球打った平均で打ち比べてみると、飛距離や方向性の違いが感じられるでしょう。

画像: 「RMX VDドライバー」(左)と「RMX VD59ドライバー」(右)

「RMX VDドライバー」(左)と「RMX VD59ドライバー」(右)

アイアン3機種とドライバー2機種はしっかりとターゲットが分かれていますので、自分のプレースタイルにマッチしたものを選びやすくなっていると思います。ドライバーとFWはカーボンクラウンの処理が主張強めな印象を受けたので開発担当者に聞いてみたところ「つい自分たちの思いが出すぎてしまった」と笑みがこぼれます。

コースで試打してみて「RMX VD」シリーズの進化を、デザインも含めて大きく感じました。

画像: 【ゴルフレッスン】カッコいいスウィングをつくる“3つの練習法”とは?打つときに意識することは手首の○○?!【狩野舞子】 youtu.be

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