「100切り」達成にはボギー9回、ダボ9回が最低ライン。
ではボギーを狙いたいホールはどう見極める？
【初心者を脱したゴルファーが『100』を切るためのレッスン】

ビギナーを脱したアマチュアゴルファーに立ちはだかるのがスコア100の壁。ゴルファーの間では「100切り」というワードが当たり前のように定着しているくらい、多くのアマチュアがぶつかり、なかなか乗り越えることができないスコアの壁だ。

ではそもそも100切り＝2桁のスコアで上がるためにはどの程度のスコアを出せばいいのか。18Hパー72のコースで、パー以上のいいスコアで上がるケースを省いて考えた場合、ボギー9回ダブルボギー9回でちょうどスコア99、100切りの最低ラインを達成できることになる。

つまり「できればボギー、悪くてもダボ。しかもダボは最大9回まで」で上がることが求められるわけだ。とはいえ、ホールごとに設定されている規定打数や総距離に差があるため、18ホールすべてでボギーを狙うのは100切りを目指すゴルファーにとってはあまり現実的とは言えないだろう。

まず、比較的距離が長いパー5のホールに関しては「基本的にダボで考えましょう」と兼濱は言う。

「パー5は一番上級者との差が出るホールです。プロや上級者にとってパー5はバーディを獲りにいくホールですが、100切りを目指すゴルファーの場合そもそも単純に飛距離が足りない場合が多く、パー5の難易度が高いんです。個人的には、100切りを目指すならパー5は最初からダボと割り切って考えたほうが良いと思います」（兼濱、以下同）

ではある程度距離の幅があるパー4の場合はどう判断すべきだろう。ボギーを狙うべきか、逆に攻めずにダボでよしとするかの基準を作るために「まずは“自分にとってのパー3”＝何ヤード以内からなら3打で上がることができるか、というラインを見極めることが重要です」と兼濱は言う。

「『ココまで寄せればアプローチでグリーンに必ず乗せられて、そこから2パット。計3打で上がることができる』という基準があると、そこに到達するまでに必要な打数も逆算できますよね。あとは各々の飛距離と照らし合わせて、そのホールでボギーを狙うべきか否かをジャッジすればいいんです」（兼濱、以下同）

たとえば30ヤード以内からなら計3打で上がることができるゴルファーAがいるとする。Aが350ヤードのパー4をボギー＝5打で上がるためには、30ヤード以内で3打使う想定であれば350－30＝320ヤードを2打で飛ばす必要がある。Aがドライバーで220ヤード、ピッチングウェッジで100ヤードを平均して飛ばすことができるとすれば、Aにとって350ヤードのパー4は“ボギーを狙っていきたいホール”になるわけだ。

「いっぽうで毎ホール必ず3パットしてしまうゴルファーBさんがいるとしましょう。その場合Bさんにとってのパー3は10ヤード以内になりますよね。すると2打で340ヤード飛ばし、かつグリーンオンしなければいけません。もちろんBさんの飛距離とアイアンの精度にもよりますが、『2打で340ヤード飛ばしてグリーンオン』が現実的でないなら、このホールはダボと割り切って無理に2打で飛ばそうとせず、安全策を取るのが良いでしょうね」

ハザードなどホールのレイアウトによって攻め方が大きく変わる場合もあるため一概には言えないが「まず単純に距離面で考えて自分がボギーが取れるホール・取れないホールを分けて考えてみましょう」と兼濱。また、距離が比較的短いパー3ホールの場合は「150ヤード以内ならボギー、150ヤード以上であればダボでもしょうがないと考えるのがベターです」という。

できればボギー、悪くてもダボで上がるためには、攻めたいホールと無理すべきでないホールを見極めることが大切。そのためにもまずは各クラブの飛距離、そして自分が何ヤード以内からなら3打で上がる自信があるか、を明確にしてみよう。