みなさん、こんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。僕はアプローチがけっこう得意なほうです。でもね、練習量があるわけでもないので、調子の波があるんですよ。距離感が合わなかったり、ダフリやトップが出たり……。
そんなときってどうすればいいのかな~? と思っていたのですが、週刊ゴルフダイジェスト12/7号に「アプローチが不調・苦手な人へ オープンスタンスで構えるの一度やめてみませんか?」という記事がありました。オープンスタンスをやめたらアプローチの不調が直る? いったいどういうことなのでしょうか。試してみることにしました!
この記事で解説をしてくれている武田登行プロによると、オープンスタンスにしてアウトサイドインに振ることのメリットは、ボールが上げやすいってこととスピンがかかりやすいってこと。しかし実はデメリットもけっこうあるのだとか。
オープンスタンスで打つことのデメリットは
【1】方向性が出しにくい。
オープンスタンスだとスタンスは左に向くけど、フェースは開くので右に向いてしまう。その状態からスタンス方向にクラブを振り、目標方向にボールを飛ばすのはけっこう高度なテクニックが必要なんです。
【2】距離感を合わせにくい。
オープンスタンスでカットにボールを打つということはエネルギーを逃がす打ち方なんです。その逃し具合によってはボールが飛んだり飛ばなかったりするわけです。
【3】オープンスタンスにすると自然に軌道がアウトサイドインになります。そのためヘッドの入射角が少し鋭角になります。そうすると少しのヘッド軌道のズレによってダフリやトップが出てしまうのです。
武田プロはアプローチが不調・苦手ならフェースもスタンスもスクエアにしてみましょうと言っています。スクエアに構えてアプローチすることで方向性は出しやすくなります。フェースも開かないので、エネルギーがしっかりとボールに伝わります。そのため振り幅が小さくてもよくなるので、ミスの確率が低くなるということです。ヘッドの入射角も穏やかになるので、ダフリやトップも出にくくなります。オープンスタンスで打つことによるデメリットが、スクエアに打つことで全部クリアできるってことなんですね。
スクエアに構えて打つためには注意するポイントがいくつかあります。まず構えたときに両足つま先は開かず、ボールに近めに立ちます。ボール位置は左足かかとの内側あたりに置き、右ひざを左ひざに少し寄せるようにして構えました。これで下半身が安定して、すくい打ちが防げます。そしてフォローでは左手首が甲側に折れないようにヘッドをターゲット方向に押し込む意識を持つのがいいようです。
ポイントを意識しながら、さっそく打ってみました。やはりスクエアに構えて、フェースの向きもスクエアだと方向性は出しやすいです。そのままスタンス通りに振れば目標方向に飛んでいきます。インパクトのロフト角も安定するので、ボールの飛び出す高さや強さも安定しますね。思ったより飛んだり飛ばなかったりというのがない感じ。そのため距離感は合わせやすくなります。たしかにスクエアに構えれば、かなりアプローチがシンプルになってミスになる確率は減るような気がします。
弾道はフェースを開かないぶん、少しだけ低めになる感じ。ただ58度とかを使っていれば低すぎることはないですね。スピンも少しかかるし、スピンの回転が真っすぐなので、ピッチエンドランで寄せやすいです。
打ち方もシンプルなのですが、個人的にはもう何十年も「アプローチ=オープンスタンス」というやり方をしてきたので、少し違和感を感じました。オープンスタンスのほうがフォローを出すスペースがあって、振り抜きやすいような気がします。スクエアで構えるとクローズで構えているような気にがするんですよね。このあたりは慣れだとは思いますが。
構えたときに右ひざを少し左ひざに寄せるのですが、このときに体重も左足に乗せて、そのまま打つのがよさそうに感じました。武田プロによるとダウンスウィングからは腰を回すとすくい打ちになりやすいので、その場で足踏みをするように腰を押し込んでいくのがいいそうです。そのときに左手首が甲側に折れないように注意すれば、カツっといい音で打てました。
スクエアに構えて打つアプローチ、シンプルでミスが出にくい打ち方だなと思いました。たしかにアプローチのミスでスコアを崩している人は試してみる価値はあると思います。慣れてしまえば方向性も距離感も出しやすい。バンカー越えでフワッと上げなければいけない時などの特殊なシチュエーション意外はこの打ち方で対応できそう。これができるようになれば、ほんの少しだけオープンスタンスにするとか、カット気味にクラブを振ってみるとか、ちょっとしたバリエーションを増やしていくといいかもしれませんね。