ライダーカップで仲直りをアピールした2人は当日颯爽と舞台のラスベガス、ウィンGCに登場した。12ホールのマッチプレーは歴代出演者のフィル・ミケルソンとバスケットボール界のレジェンド、チャールズ・バークレーの臨場感溢れるオンコースレポート付きで視聴者を飽きさせなかった。
とはいえ世紀の凡戦といわれたタイガーvs.ミケルソンのザ・マッチ第1弾のようにあまりパッとしたない展開。とくにデシャンボーはスタートホールでいきなりブッシュの裏に打ち込み、無罰で救済を受けた2打目もグリーンサイドバンカーへ。そこは寄せワンで凌いだが2番でケプカがバーディを奪ってリードを許す。
12ホール中唯一のパー5、5番では持ち前の破壊力でドライバーを炸裂させたデシャンボーにミケルソンが「今のいいね。すごく魅力的なショットだった。適当な言葉が思い浮かばない」と褒めるとデシャンボーは「フィル、今の気に入った? あなたのためだけに打ったショットでした」と笑顔でリップサービス。しかしバーディならず。ケプカ、バーディで2アップ。それ以降も6番、8番、9番を立て続けに獲ったカプカが3ホールを残し5アップで圧勝。デシャンボーは結局1ホールも獲ることができずに敗れ去った。
「ここはいったいどこの試合なんだ? ブルクシー、ちょっといいプレーし過ぎじゃない?」とデシャンボーがいうとケプカは「これが我々のメジャーでしょ?」。「だと思ったよ」と肩を落とすデシャンボー。
メジャー4勝を挙げているケプカは「(圧勝で波に乗って)また彼(デシャンボー)と対戦したくなったんじゃない、って? 絶対ノーだ。これで十分、僕は大丈夫」と苦笑いした。
勝ったのはケプカ。しかし話題を集めたのはマッチ終了後に10番で行われたドライビングコンテストでのデシャンボーの強烈な1打。PGAツアーが公式ツイッターに上げた動画に衝撃が走った。デシャンボーが放ったショットはもの凄い打球音を響かせフェアウェイを切り裂き402ヤードを記録。
これには「マジ、ヤバイ」「アメイジング(驚き)」「煙が出てる」「完全にクレイジー」とSNSでファンが大騒ぎ。ボールスピード205マイルは驚異の330キロ超えとあって異次元の飛ばしに感嘆と賞賛の声が上がった。さすがは本物のドラコン競技大会経験者。全人類の中で10本の指に入る飛ばし屋だけのことはある。
この1打でドラコンに勝利したデシャンボーは35万ドル(約4千万円)を自分が指定する先に寄付する権利を得た。
ともにツアー8勝を誇るケプカとデシャンボー。来るべき22年は本物のメジャーの舞台で優勝を争う2人が見たい。