昨年、一昨年とギア業界において大きな存在感を放っていたクラブメーカーと言えば、ピンだろう。2021年もその好調は続行!? トレンドウォッチャー・コヤマカズヒロが振り返る。

2019年、そして2020年は、紛れもなくピンの年だった。近年、着実にユーザーを増やしていた同社だったが、2019年は現代の名器と言っていい「G410」シリーズの登場と、渋野日向子という新しいスターの誕生によって、一気に躍進した。

この勢いは2020年も続き、秋にはグローバルに先行して、「G425」シリーズが投入されたこともあり、完全にブームと言える状況だった。同伴プレーヤー4人の中に、何人もピンのドライバーを持っていたり、ドライバーだけでなく、FWやハイブリッドを複数本入れている人がいたりと、とにかくピンのクラブが目立つ年だった。

象徴的なのは、パターのカテゴリーだ。それまでは何といってもオデッセイが定番。高価格帯のラインナップは、スコッティキャメロンが一強で、それにテーラーメイドの「スパイダー」が加わると、それで市場をほぼ寡占する状態だった。

ところが、渋野日向子が愛用する「シグマ2」が飛ぶように売れて、パターの市場におけるピンのシェアが急拡大した。どのメーカーもラインナップしている定番のアンサー型が爆発的に入れたことで、“シブコ”効果の凄さを感じたものだ。

2021年は、その過去2年の躍進に比べると、ピンにとっては少し静かな年になったかもしれない。年明けから、テーラーメイド「SIM2」とキャロウェイ「エピック」という2大モデルが登場し、ユーザーの注目を集めた。一方、ピンは「2021」パターや「i59」アイアンなどの新製品が登場したが、ライバルとなるメーカーと比べると、やや派手さがなかったように見える。

しかし、店頭の実績は依然として好調だった。年初は「SIM2」と「エピック」が激しく覇権を争ったが、何ヶ月か経つとドライバー部門での「G425」シリーズの人気ぶりが目についた。FWとハイブリッドにおける「G425」の人気は圧倒的で、アイアン人気も高かった。結果的に2021年も売れ行きという点においてはピンは引き続き好調だったといえそうだ。

使用プロの活躍も市場の動きと同じように、目立ってはいないが好調という印象が強い。渋野日向子、そして金谷拓実という男女の若手スターがいまだに前作の「G410 プラス」を使用しているのはマイナスだが、近年でもっとも高い評価を受けたモデルのひとつである「G410」から、「G425」シリーズにスイッチした選手が大半になった。

画像: 「SIM2」と「エピック」の激しい覇権争いの影に隠れたが、「G425」シリーズの売れ行きは好調だ

「SIM2」と「エピック」の激しい覇権争いの影に隠れたが、「G425」シリーズの売れ行きは好調だ

国内男子ツアーで賞金王を獲得したチャン・キムは、大型慣性モーメントの「G425 MAX」。先日、PGAツアーで3勝目をあげたビクトル・ホブランは「G425 LST」を使用し、勝利に貢献した。

さて、気になるのは「G425」シリーズの次作となる新モデルだが、今のところ確度の高い情報は入っておらず、静かな動向だ。ギアマニアの間で噂されている年明けすぐの発表はないかもしれない。いずれにせよ、いざ発表というタイミングになれば、大きな盛り上がりがあるだろう。

画像: ピンのクラブで国内男子ツアー賞金王となったチャン・キム

ピンのクラブで国内男子ツアー賞金王となったチャン・キム

※2021年12月7日17時16分 誤字を修正いたしました

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