あの松山英樹がテストし、納得の弾道が打ててしまったという衝撃映像も配信されており、「ゼクシオ」から「ゼクシオX」へとシフトしつつある新時代の「ゼクシオ」がついにリリース。どれだけ売り上げを伸ばすのかゴルフ界内外からも大いに注目されている。2000年にキャロウェイとの業務提携が終わり、当時大人気だった「ビッグバーサ」シリーズが抜けた穴を埋めるべく、ニッポンのゴルファーのために開発されたブランドが「ゼクシオ」だ。
発売当時の名前はまだ「ツアースペシャル ゼクシオ」。よく自動車の名前がサブネームが独立しブランドを背負っていくのと同じようにやがて名前は「ゼクシオ」だけとなり、やさしいクラブを徴用するプロ片山晋呉の活躍とともに「アマチュアからプロまで使えるクラブ」として見事に浸透していった。モデルチェンジのたびに販売本数を伸ばし、「クラブ選びに迷ったらゼクシオを買っておけば間違いなし」と言われるほどまでにヒットを続け、いまもなお「国民的ドライバー」として「ゼクシオ」は認知されている。
日本人が作った、日本人が使って日本人飛ばせるクラブ。デザインやカラーに和のテイストが入っているわけではないが、このドライバーは、やはり日本を強く感じる。
じつはそれを感じさせるものが「ゼクシオ12」と「ゼクシオX」にも搭載されている。それは空力をコントロールして高初速を生み出す新しい機能「アクティブウイング」や高反発を生み出す「リバウンドフレーム」ではない。フェースに使われるチタン素材「Super-TIX®51AF」だ。
日本製鉄の独自のチタン合金で、ゼクシオシリーズでは4代目「ALL NEWゼクシオ」から採用された。軽量でありながら強い素材のフェースのおかげで反発性能はアップし、深重心化にひと役かってきた。「ゼクシオ12」と「ゼクシオX」でもフラットカップフェースとして採用され、インパクト時に大きくたわみ、ボール初速を上げている。さらにこの「スーパータイエックス51AF®」は実用金属としては比類なき耐食性をもち、ステンレスの約3倍の耐疲労性をもつという。
その特性に白羽の矢が立ち、このチタン素材は長尺ボルトとロッドエンドに加工されあの清水の舞台で有名な清水寺の補修工事に採用されている。
世界遺産で国宝指定の清水寺の修理に使われている信頼の素材、それだけゼクシオのフェース面は性能、信頼性ともに国内最高クラスということがわかるであろう。
1000年の歴史をもつ清水寺と同じ素材でつながる21年の歴史をもつゼクシオ。なんとも感慨深い話だが、発売からどのくらいの売れ行きを記録するのか、果たして松山英樹は使うのか、注目していきたい。