2012年 ロイヤルコレクション「BBD 105Vフォージド」
2012年は46.5インチのミズノ「JPX 800AD」とロイヤルコレクション「BBD 105Vフォージド」の決勝戦。長尺のJPXはビッグキャリーを武器に記録を伸ばすが、BBDはライナー性の強い球で風を物ともせずに優勝した。ドライバーがもつ重心の高さと低スピン性能が命運を分けた。
2013年 ナイキゴルフ「VR_Sコバート」
2013決勝戦はいまはなきナイキゴルフの「VR_Sコバート」と、正統派モデル、タイトリスト「913D3」の戦い。3人のテスターの飛距離の平均が1ヤード差以内ならプレーオフという、「D-1グランプリルール」に従ってプレーオフに突入したが、僅差で「VR_Sコバート」が勝利となった。ヘッド性能的には高重心でスピンは多め。やさしさと操作性が光った1本だ。
2014年 テーラーメイド「SLDR」
2014年からドライバーの設計コンセプトに明らかなトレンドが出てくるようになる。2014年は「浅重心」と「低重心」。あまりの低スピン仕様で飛距離へのポテンシャルは高いが、打ち出しを高くしないと本来の性能を発揮できないため「ロフトアップ」という言葉を生んだ、テーラーメイド「SLDR」が超ビッグドライブを炸裂させ優勝した。
2015年 プロギア「iDナブラRS01」
2015年の決勝戦では長尺仕様のフォーティーン「ゲロンディ」と、低重心ドライバー、プロギア「RS01」が対決。スピンを抑えた伸びのある弾道が打てる「RS01」が優勝。初速の速さも優勝の理由だったようだ。この後、「ゲロンディ」長尺理論を携えたドライバーは必ず上位に顔を出すようになる。
2016年 キャロウェイ「XR-16」
2016年の「D-1」を制したのはキャロウェイ「XR-16」。ヘッドの特徴といえば重心が深く、やや高い設定で慣性モーメントも大きい。決勝ではピン「G LSテック」と戦いビッグキャリーボールで激戦を制した。ちなみにこの頃からドライバーには空力をよくする機能が搭載されるようになった。
2017年 キャロウェイ「GBBエピックスター」
そして2017年、キャロウェイが「GBBエピックスター」で「D-1グランプリ」2連覇を達成。決勝の相手は永遠のライバルで、名勝負数え歌を繰り広げるテーラーメイドのドライバー「M2」。「M2」がボールをしっかりと押して飛ばすのに対して「GBBエピックスター」は「みんなの打球を見ていると、出だしからの初速が違う、ボールスピードが速った」とミスターD-1・横田英治プロも驚く初速性能をもっていた。
2018年 テーラーメイド「M4」
2018年は前年決勝で敗れ去ったテーラーメイドがうっぷんを晴らすかのように、ぶっちぎりで優勝。打点のブレに強い「ハンマーヘッド」と「ツイストフェース」の力で「M4」が勝利した。悪条件を好条件に変えれるほど、「M4」の低スピン仕様が優勝へと導いた。
2019年 ピン「G410プラス」
「D-1グランプリ」の長い戦いの歴史の中で「長尺が生み出すヘッドスピード」、ヘッドとフェースの反発性能が生み出す「ボールスピード」、強く打っても吹き上がらない「低スピン性能」と優勝の条件が毎年変わり、注目されるようになってきた。そんななか優勝したのは、この年大活躍した渋野日向子とともに人気が急上昇したピン「G410プラス」。これまでのドライバーと違い、重心高めでほどよくスピン量があり、ミスをしてもヘッドがブレないというやさしさをもったドライバーの優勝となった。
2020年 キャロウェイ「MAVRIKサブゼロ」
この年、ゴルファーが大注目の一戦「SIM」vs「MAVRIK」が決勝戦で実現する。テーラーメイド「SIM」軍団の代表はボールがつかまる「SIM MAX-D」、対するキャロウェイ「MAVRIK」軍団の代表は「MAVRIK サブゼロ」。球が上がりやすくつかまる「SIM MAX-D」はミスに強く平均飛距離を伸ばすも、AIフェースでボールスピードに優れる「MAVRIK サブゼロ」が一閃。王者となった。
2021年 キャロウェイ「エピックMAX LS」
ダークホースとして決勝にまでコマを進めたミズノ「ST-Z」と群を抜く初速性能でシリーズの頂点に立ったキャロウェイ「エピックMAX LS」との最終決戦。低スピン性能がウリの「ST-Z」がこのまま優勝するかと思われたが、「エピックMAX LS」は「MAVRIK」譲りの低スピン性能に加え、洗練されたAIフェースが生む驚異のボールスピード、大きな1発がモノをいい勝負アリ。またもやキャロウェイが2連覇を達成した。