みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。僕はなるべくゴルフをシンプルにやりたいと思っています。そのほうが緊張する場面でもミスが少なくなるし、調子が悪くなったとしても、修正しやすいと思うからです。練習量が圧倒的に少ないので、複雑なことはできないですからね。アプローチだってなるべくシンプルで簡単な打ち方をするようにしています。
月刊ゴルフダイジェスト2022年1月号の連載「解決!浦ゼミナール」に僕好みのシンプルなアプローチの打ち方が載っていました。これが僕が今までやっていたのとは少し違う感じだったので、さっそくやってみることにしました。
浦コーチは、アプローチというのは普通のショットと違い「飛ばさない技術」が必要だと言います。そのためにはインパクトの形をアドレスで作っておき、あとは上体の動きだけで打つのがいいそうです。そうすれば飛ばすことはできないけれども、再現性は高くなるということなんです。
ショットではスクエアに構えたところから腰が回転してインパクトしますが、飛ばさないアプローチではそのようにしてパワーを生み出す必要がないわけです。なので、アドレスの時点でインパクトの腰の向きを作るためにオープンスタンスで構えるということです。
では、具体的にどう構えて、どう打てばいいのでしょうか? 浦コーチは「左足体重でベタ足のまま」打ちなさいと言っています。僕は今までも左足体重を意識して打っていましたが、ベタ足というイメージはなかったですね。右かかとがガバっと浮くような感じはなかったけれども、多少は右ひざを左に送るような感じで下半身も使って打っていました。
プロは下半身を使って打っているような気がするのですが、浦コーチによると、それはプロの凄い練習量と優れた感性があるからできることであって、かなり高度な技術が必要であるということです。通りで僕はミスが多いんだな~……。
アドレスでの「左足体重」の作り方も、僕がいままでやってきたのとまったく違いました。僕は普通にひざを軽く曲げてそのまま左足に体重を多くかけるような感じでやっていたのですが、どうやらこれはダメみたい。
浦コーチが教えてくれている「左足体重」の作り方は、まず両足を軽く曲げた状態で真っすぐに立ち、そこから右ひざだけを伸ばす。そうすると自然と左足に体重が乗り、体の中心は左に寄ります。そして最後に両ひざがスクエアになるように少し左を向く。その状態でクラブを握れば、自然とハンドファーストで左足体重のアドレスが完成します。この構えの作り方はやったことがなかったし、今までの僕の構えとはひざあたりの感覚がまるで違います。
さっそくボールを打ってみました。右ひざを伸ばして作る構えは、何度かやればすぐにしっくり来るようになりました。下半身を動かさないように、上体だけの動きでアプローチしてみると、なるほど打点が安定します。ひざを曲げたままで左足体重を作って打つと、どうしてもひざが左右に流れたり、上下に動いてしまったりしがち。で、ひざが動くと打点がブレてしまうのでミスが出やすいんですね。右ひざを伸ばして左足体重にしていると、右足がロックされるような感じで、下半身が動きにくくなる。自然とダウンブローに打てるようになるし、あまり意識しなくても右足はベタ足のままで打てます。これは下半身を使わずに上体だけで打つという動きがやりやすい構えですね。
じつはこの構えと打ち方で2ラウンドほどしたんです。ほぼノーミスでした。そりゃ全部ベタピンってわけには行きませんが、ダフリやトップは一度もなし。とてもいい当たり方で適度にスピンが効いたアプローチができました。とてもシンプルな打ち方なので、距離感も出しやすいし、なによりミスになりにくいというのが嬉しい。僕的にはアドレスがしっかりと作れれば、もう50%くらいはアプローチが成功したようなものっていう感覚になります。
この打ち方ではだいたい40ヤードくらいしか打てないそうですが、グリーン周りのアプローチであればそのくらいで十分ですよね。ロフトの立ったウェッジに変えれば、足が出るのでもう少し長いアプローチにも対応できるかもしれませんが。
左足体重を意識しながらアプローチをしている人って多いかもしれませんが(僕もしてました)、同じ左足体重でも、右ひざを伸ばして作る左足体重をやってみるとかなりイメージが変わると思います。これはぜひ試してみてほしいですね。僕は今後、グリーン周りはほぼこれでアプローチしようと思います。