国産ブランドの一角であるオノフが送り出すニュードライバー「オノフ クロ」。オノフと言えばオートマチックにやさしく飛ばす「アカ」シリーズもあるが、「クロ」シリーズに関してはある程度振れるゴルファーの使用も想定した、どちらかと言えばアスリート向けのモデル。実際、男子ツアープロ・浅地洋佑も同ドライバーを採用し今年の「マイナビABCチャンピオンシップ」を制している。
そんなオノフ クロ2022年モデルの最大の特徴は、重量のあるヘッドと軽量シャフトによる、振りやすさを追求した設計。ヘッド重量は実測値で約200グラムなのに対し、純正シャフト「CBT:622D」は49グラムと軽量仕様。加えて、グリップエンドには7グラムのウェートを装着し、カウンターバランスにすることで振りやすさが向上している。
さらにヘッドのソール後方とトウ・ヒール側の3か所に重量の異なるウェートが配置されているのだが(デフォルトでは後方2グラム、トウ側4グラム、ヒール側6グラム)、面白いのが、グリップエンド側に装着された7グラムのウェートも含めてそれぞれ入れ替えが可能な点。
つまり、つかまりやすさなどのヘッド性能だけでなく、カウンターバランスの度合いまでゴルファーごとのスウィングに合わせてカスタマイズできるというわけだ。1~12グラムの交換用ウェートも別売されているから、そろえればより自分好みに調整が可能だ。
ではそんなオノフ クロの性能はいかほどか。さっそくプロゴルファー・中村修と堀口宜篤に試打して確かめてもらおう。
まずは構えた印象から聞いてみよう。
「クラウンがマットな仕上がりで締まって見えますね。バルジとロールが強いですがトップのラインはテークバックしやすく感じます。ワッグルしてみると、たしかにヘッドの重さは感じます。最近のドライバーのなかではちょっと重いかなくらいですね」(堀口)
中村も「オーソドックスないい顔です」と評価。
「ディープな形状で顔はストレート、ロフトが見えて球が上がりやすそうな印象です。外ブラライクな見た目と言えるでしょう。純正シャフトも軽い割にかなりしっかりしていますね」(中村)
では実際に試打した際の評価はどうだろうか。両者の試打データの平均値を見てみよう。なおロフト角10.5度モデルを使用し、ネック調整機能はニュートラルポジション。ウェートはデフォルトのソール後方2グラム、トウ側4グラム、ヒール側6グラム、グリップエンド7グラムの配置で行った。
【堀口のオノフ クロドライバーの試打結果】
HS44.3m/s キャリー239Y トータル262Y 打ち出し角12.8度 ボール初速64.3m/s スピン量2407回転
【中村のオノフ クロドライバーの試打結果】
HS45.1m/s キャリー245Y トータル268Y 打ち出し角14.2度 ボール初速65.4m/s スピン量2241回転
「カウンターバランスの効果がしっかり出ていて、振りやすいクラブだと言えます。球も上がりやすく、スピンも一貫して抑えられているので、しっかり振っていけるドライバーと言えますね」(中村)
堀口も「ヘッドがハンマーのように戻ってくる感じで、かなり振りやすいです」と評価。
「打感は硬めですが、思ったより吸い付き感もあって気持ちいいですね。シャフトも軽量ながらしっかりしているので、僕らのヘッドスピードでも全然振れます。シャフトも含めてバランスが取れていて、クラブ全体の完成度が高いのを感じます」(堀口)
ではウェートを入れ替えてみると、性能はどのように変わるのか。堀口にソール後方7グラム、トウ側4グラム、ヒール側6グラム、グリップエンド2グラムの配置で改めて試打してもらうと「マイルドながら変化は確かに感じます」という。
「慣性モーメントがより高まるウェート配置で試してみたところ、劇的な変化ではありませんがヘッドのブレは減り、より安定感が増した印象です。しっかりボールに当たって押し込んでくれる感じがより増しましたね。ヘッド性能はもちろん、スウィングバランスを自分に合わせて変えられるのはかなり大きいと思います」(堀口)
試打を終えた両者の意見をまとめると、「オーソドックスな形状ながら振りやすさを追求したドライバー。そのうえでカスタマイズ性も高いので、幅広いゴルファーに合うモデル」とのこと。
「とくに、ある程度振れるゴルファーが使うとかなりよさそうですね。振り切ってもスピン量がすごく安定していて、本当に『バンバン振ってください』という性能のドライバーですよ」(中村)