正しい向きに構えることはゴルフゲームの大きな挑戦のひとつである
第一回のミッションは「右向きゴルファー撲滅」です。ゴルフはターゲットにボールを打ち進めていくゲーム。打ちたい方向にきっちり構える。これが出来なくてはゴルフになりません。ゴルフルールでも目標に向かってゴルファー自身が正しい方向にアドレスを取ることはとても重要な要素と考えられていて、ショットの前に他人のアドバイスによって体の向きを修正することは認められていません。
誰にも頼らず自分の力だけで体の向きを定める。これはゴルフゲームの大前提なのです。ですが、実際私が接してきた多くのゴルファーはそれが出来ていません。半数以上の方がターゲットより右を向いてしまっているのです。
それではその原因と対策を考えていきましょう。まずは基本的な考え方。
アドレスでは常に二つの線が存在します。飛球線と体の線です。飛球線とはボールが飛び出していく方向、自分が打ち出したい線のことです。体の線は、打ち出したい方向に打つ為に定める足や肩の線ということです。この二つの線はよほど特異なショットで無い限り、交わることはなく基本的には平行になります。
しかし、これが実はとても難しい。飛球線に対して、ではなく、肩や腰のラインを目標に向けてしまう方が多いのです。しかも自覚症状の無い方がほとんど。よく言われるのは線路のレールのような平行な2つの線を意識するというもの。確かにどこを狙う時も体の中で二つの平行なラインをイメージ出来れば簡単かも知れませんが、練習場では意識出来てもコースでのプレーでは全く意識出来なくなるようです。
こうした場合に意識して頂きたいのは、両目の線です。
飛球線はひとつですが、体の線は複数存在します。自ら体の向きをチェックするとき、【1】肩【2】腰【3】膝【4】つま先のラインを気にする方は多いと思いますが、そもそもそれを見ている【5】目の線がズレていては何が正しいのか分かるはずもありません。
「スクェア感はスクェアな両目が作る」
皆さんに自問して頂きたいのですが、アドレスしてから目標方向を見るとき、目を平行に動かしていますか? 右を向いてしまう方の多くは自分の肩越しに目標を見てしまつています。その結果、肩のラインが右を向いていても気が付かないのです。
目標方向を見るとき、飛球線に対して両目を平行に動かす。あごの前傾角度を変えず、右に傾けるイメージ。キャップやバイザーのひさしを飛球線に対して平行に動かすことを意識してみてください。このとき、自分の左肩が視線を邪魔してなければOK。おそらく右向き傾向の方は、「こんなに左向きでいいの?」と不安になるかも知れません。この違和感には慣れるしかありません。
また、もう一つ正しいアライメントに大きく関わってくるのが、ボールの位置。
つま先や、肩のラインが平行に構えられていても、例えばボールを左に置き過ぎていれば肩のラインが左を向きやすくなってしまいます。ボールの位置はスウィングや持ち球など、ゴルファーの個性によって適正な位置が変わってきますので、体の向きとボールの位置をセットで確認するようにしましょう。元賞金王のあるプロは、自分のつま先のラインとボールの位置を描いたダンボール紙を持ち歩き、毎日チェックしていたのを見たことがあります。
とても地味ですが、とても重要なアドレス、体の向き。ここを修正しただけで不調が一変に吹き飛ぶ、という経験を私自身も含めて数多く見てきました。
みなさんも是非参考にして頂けたらと思います。