さっそく、2021年ドライバー総売り上げランキング、1位から15位までを一挙に見てみよう。なお集計対象は2021年1月1日から10月30日までに、新品で購入されたクラブとなっている。
1位:テーラーメイド「SIM2 MAX」
2位:テーラーメイド「SIM2 MAX-D」
3位:ピン「G425MAX」
4位:テーラーメイド「SIM2」
5位:キャロウェイ「エピックSPEED」
6位:キャロウェイ「エピックMAX」
7位:キャロウェイ「エピックMAX LS」
8位:タイトリスト「TSi1」
9位:タイトリスト「TSi3」
10位:ダンロップ「ゼクシオ11」
11位:タイトリスト「TSi2」
12位:キャロウェイ「エピックMAX FAST」
13位:ブリヂストン「B2」
14位:ダンロップ「スリクソンZX5」
15位:テーラーメイド「300ミニ」
堂々の1位に輝いたのは2021年2月に発売されたテーラーメイドの「SIM2 MAX」。同モデルは「SIM2」シリーズのなかでは適度なつかまり性能がありつつも、弾道の直進性・安定性を高めた1本だ。前作の「SIM」シリーズもプロアマ問わず好評を博したが、より性能がブラッシュアップされた後継機でもその人気は健在のようだ。
「SIM2」シリーズには「SIM2 MAX」を含め全3モデルがラインナップされているが、そのすべてがトップ15にランクイン。ドローバイアス仕様の「SIM2 MAX-D」が2位に続き、低スピン性能を重視した「SIM2」も4位となっている。
同じく、限定モデルであるツアーバージョンを除いたすべての兄弟モデルがランクイン入りを果たしたのが、キャロウェイの「エピック」シリーズ。「エピックSPEED」が5位、「エピックMAX」が6位、「エピックMAX LS」が7位、そして「エピックMAX FAST」が12位となっている。
そして3位にランクインしたのはピンのG425MAX。2019年に発売され大ヒットした前モデルの「G410プラス」の後継機である同モデルも、依然として高い支持を集めていることが再確認できた。
さて、1~7位までの時点でテーラーメイド3モデル、キャロウェイ4モデル、ピン1モデルと上位を外ブラが独占する結果となった。みんなのゴルフダイジェストにおいて数多くのドライバーを試打してきたプロゴルファー・中村修と堀口宜篤の両名は「この結果は納得ですね」と口をそろえる。
「実際に打ってみても飛距離性能・スピン性能には驚かされましたし、ゴルフ場や練習場でみなさんはどのドライバーを使っているのかなと目を向けてみても、だいたい1組のなかにどれか1本はありるな、という印象ですね」(中村)
ただ、中村が少し意外だったと語るのが、タイトリストの「TSi」シリーズから「TSi1」が8位、「TSi3」が9位、「TSi2」が11位と3機種ランクインしている点。「ランキング全体を見ても健闘したなというイメージです」という。
「『TSi』シリーズは実際に打ってみると、たしかに前モデルの『TS』シリーズよりもかなりいい仕上がりになっているな、という印象はありました。ただタイトリストの契約選手ってパワフルな人が多いから『タイトのドライバーってある程度振れる人でないと性能を生かしきれないのかな』といった、使いこなす難易度が高いイメージを持つ方も少なくないと思うんです。でも、アマチュアの方が使ってもちゃんといい結果が出る、その性能のよさが試打したみなさんにもしっかり伝わったのだと感じますね」(中村)
一方で国産メーカーからはそのやさしさでお馴染み、ダンロップの「ゼクシオ11」が10位、渡邉彩香らが採用するブリヂストンの「B2」が13位、松山英樹の活躍によって注目が集まったダンロップの「スリクソンZX5」が14位にランクインした。
「『ゼクシオ』シリーズの人気はやはりすごいですね。つい最近12代目『ゼクシオ』が発売されたばかりですが、そういったタイミングって旧モデルがマークダウンして余計に売れたり、っていうこともあるんですよね。実際ウチのお客様も結構買っていました。やさしさと飛距離性能、打音まで含めて本当にいいクラブです。あと、今回のランキングでは集計対象外でしたが、12代目ゼクシオはかなり幅広い層を取り込みそうなところがあるので、今年は外ブラが席捲しましたが、来年も楽しみですね」(堀口)
そしてランキングトップ15のなかでも異彩を放つのが、15位にランクインしたテーラーメイドの「300ミニ」。その名の通りヘッド体積307cc、クラブ長43.75インチのミニドライバーなのだが、「大型ヘッドで長いドライバーがちょっと合わなくて、ミニドライバーを使ってみたいと思うゴルファーが、トップ15に『300ミニ』を押し上げるほどの人数いたというのは興味深いですね」と中村は話す。
さて、改めてランキングを振り返ってみると、上位15機種中実に12機種が外ブラという結果に。依然として外ブラドライバー人気は衰えをまったく見せないが、果たして2022年のドライバー勢力図はどのようになるのか、引き続き注目していきたい。