みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。もともと僕はあまり飛ぶほうではないのですが、いい歳になってきて、これ以上の飛距離ダウンはどうにかして避けたいんです。なるべく飛距離性能の高いクラブやシャフトを使ってがんばっていますが、さすがにギアだけでできることは限られています。スウィングもできるだけ飛ばせるように改造したいな~とは思うのですが、体が硬いので、それも難しいのかも……。
月刊ゴルフダイジェスト2月号に「もっともっと”上半身”を回そう!」という記事があったのですが、その中に65歳で250ヤードを飛ばしているトップアマの方の飛ばし方が載っていました。なんだか参考になりそうだったので、やってみることにしました!
この記事では65歳の堀江さんという方が自分のやっている飛ばし方を教えてくれているのですが、ポイントは「胸を回す」ということ。胸がしっかりと回ることのメリットは2つ。
【1】トップで間ができて打ち急ぎがなくなる。
トップでしっかりと胸が回っていると、切り返しで胸の面を残したまま下半身から動き出せるんです。胸が回っていないと、上半身から切り返してしまいがちになります。
【2】トップからの距離が稼げて力が伝わる。
トップからインパクトまで、クラブが下りてくる距離が短いと加速時間が短くなってしまい飛距離が出ない。胸が深く回っていればヘッドの加速時間が長くなるんです。
なるほどね~。たしかに僕もトップが浅くなってしまうと、上半身が突っ込んでしまいアウトサイドイン軌道のスライスになることが多いです。
たしかに胸を回したほうがいいのはわかります。でも、僕の場合、体が硬くてなかなかしっかりと胸を回すことが難しいんですよ。65歳の堀江さんは体が柔らかいのでしょうか? いったいどうすればしっかりと胸を回すことができるのでしょうか?
堀江さんはボールなんて見なくていいから、しっかりと胸を回しなさいと言っています。たしかに胸をしっかりと回すとテークバックの途中でボールから目線が切れてしまうんですよ。それでいいの? スウィングの途中でボールが見えなくなるってのはめっちゃ不安なんですけど……。
でもじつはボールを見ようとすることでの弊害も大きいらしいのです。ボールを見ようとするあまり胸の回転量は少なくなるし、「当てたい」という気持ちが強くなりすぎてリキんでしまったり。
ボールを見ないと言っても、どういう意識で振ればいいのでしょうか? ボールを見ない代わりにヘッドを見ましょうってことらしいです。テークバックでヘッドの動きを目で追うと回転がスムーズになるし、ヘッドの通り道が明確になるという効果もあるようです。
もうひとつ、素振りのときのように自然と目線が動くのが理想だそうです。たしかに素振りのときってボールがある位置をずっと見続けたりしないですよね。自然と胸の回転に連動して目線も動いています。その素振りと同じように本番も振れるといいんです。
さっそくボールを見なくてもいいという意識でボールを打ってみました。打つ前には素振りで胸の動きと目線を連動させるイメージを作っておいて、そのイメージでボールを打ちます。
今までもそんなにボールを凝視して打っていたわけではないけど、あえボールを見ないとなるとちょっと不安になりますね。実際、1発目はかなりヒールに当たったミスショット……。これは当たらないかもという不安から、無理やり手で当てに行ったことが原因じゃないかと。
2発目は「当てよう」という意識を捨てて、しっかりと振り切ることを考えてスウィングしました。これはかなりいい当たりで、飛距離も十分出ていました。たしかにボールを見なければいけないという意識を捨てると、胸は十分に回すことができますね。ボールが目線から外れることは不安ですが、慣れてしまえば問題ないです。
ただ、トップで伸び上がったりしてしまうとダメなので、前傾角をキープすることは必要だと思います。胸が回っていればトップはコンパクトでもいいので、無理にトップを大きくする必要はなさそうです。
1ラウンドこのイメージでドライバーを打ってみましたが、慣れると飛距離はしっかり出ていました。そこまで飛距離が伸びたという感触はないですが、しっかり胸が回ることでタイミングが取りやすく、ショットが安定しました。大きなミスショットが少なくなって、結果的に平均飛距離がアップしているように感じました。
やってみて思ったのは「ボールを見ない」という意識よりも「ボールが見えなくなっちゃってもいい」というくらいの意識で振るのがよさそうです。胸を回すことがいちばん大事で、その結果ボールが見えなくてもいいって感じでしょうか。
柔軟性の高い人はボールをずっとボールを見ていても胸をしっかり回せるでしょうが、僕のように体が硬い人は、一度「ボールなんて見えなくてもいいんだもん!」って感じでショットしてみてはいかがでしょう。