1位 松山英樹、悲願のマスターズ制覇
日本のゴルフファンなら誰もが夢見た、日本人選手のメジャー制覇。その瞬間は前触れもなく訪れた。安定した成績をあげつつも、過去5年にわたって優勝から遠ざかっていた松山英樹が、見事なプレーでマスターズを制覇した。
松山は東京五輪でも優勝争い。詮なきことだが、もう少しパッティングの調子がよければ金メダルは彼のものだったろう。秋には「ZOZOチャンピオンシップ」で圧巻の優勝。2019年にマスターズと同大会を制した、タイガー・ウッズをなぞるような活躍だった。今年の10大ニュースと言わず、日本のゴルフ史に永久に残る偉業といっていいだろう。
2位 稲見萌寧、東京五輪で銀メダル
1年半の長丁場になった国内女子ツアー。主役となったのは9勝を挙げて賞金女王になった稲見萌寧だった。シーズン通して安定した成績を上げた稲見だが、とくに印象に残ったのは、やはり自国開催となった五輪での活躍だ。前週の試合も出場するという強行スケジュールの中、世界のトップ選手たちに引けを取らない戦いぶりで、リディア・コとのプレーオフを制して、銀メダルに輝いた。
3位 笹生優花 畑岡奈紗とのプレーオフを制して全米女子オープン優勝
3位までは後々まで語り継がれる快挙ばかりだ。6月の笹生優花の全米女子オープン優勝も大変な偉業だ。岡本綾子、宮里藍など幾多の先人が手に届きそうで届かなかった全米女子オープンに、若干19歳の笹生が優勝。しかもそれは、アメリカでトップランカーとして、着実に実績を積んでいる畑岡奈紗とのプレーオフを制してのものだった。女子ゴルフ最高の舞台で、日本のファンとしては夢のような展開となった。
4位 50歳、フィル・ミケルソンがドライバー2刀流で全米プロを制覇
スポーツの世界で、50歳の選手が最高峰の大会で優勝することなどあるだろうか。そんな離れ業をやってのけたのが、全米プロで優勝したフィル・ミケルソン。肉体改造に着手したことと同時に注目されたのが、48インチに迫る長尺ドライバーとミニドライバーによる二刀流戦略。道具を工夫することで、パワーゲーム化した現代のPGAツアーで戦うのに十分な飛距離を手にすることができた。
これに慌てたのか、R&AとUSGAは10月に【パターを除くクラブの長さが46インチを超えてはならない】というローカルルールの新設を発表。2022年から施行される。ミケルソンの活躍が、長尺規制を早めてしまった格好だ。
5位 ゴルフブーム到来で、グリップ、シャフトが品切れ続出
昨年半ばから、コロナに強いレジャーとしてゴルフが注目され、若い世代を中心に多くの新規ゴルファーが誕生した。これまでのゴルファーもラウンド数が増加するなどして、にわかにゴルフブームの様相を呈している。
コロナ禍にあって、当初は海外の製造工場も減産体制を敷いて売上減に備えていたが、その後は急激な需要過多となったことで、昨年末辺りから深刻なパーツ不足の状況が現れるようになった。特にグリップがなく、数ヶ月もパーツを待つようなケースも少なくない。現在は、少しずつ状況は改善されているようだが、依然として需要は多く、潤沢に商品が揃うのは随分先になりそうだ。
6位以下は以下のようにランキングしてみた。長くなってしまうためここでは深く触れないが、見出し風に簡潔にまとめた一文でも当時を思い出せるゴルファーは多いことだろう。
6位 中島啓太がアマチュアとして、史上5人目のツアー優勝
7位 タイガー・ウッズが自動車事故で重症 愛息と奇跡の復活
8位 稲見萌寧効果? トラスパターが大流行
9位 年2回の女子プロテストが施行 有力選手が不合格となる波乱も
10位 金谷拓実、木下稜介との戦いを制した、C・キムが初の賞金王
時点 梶谷翼 オーガスタナショナル女子アマで優勝
2021年は日本のゴルフ界にとって、非常に印象的な出来事が多かった。来年は果たして、どんな事件があるだろうか。