2021年12月に最新モデルが発売されたばかりの本間ゴルフ「ベレス」シリーズ。同シリーズでは初の2種の兄弟モデルがラインナップされているが、黒を基調とした精悍なイメージの「ベレスBLACK」に対し、華やかな見た目が印象的なのが「ベレスAIZU」だ。
まず目を引くのはクラウン部に描かれた松竹梅、破魔矢を組み合わせた模様である会津絵。日本美を前面に押し出しつつアライメントとしての役割も兼ね備えており、見るからにほかのクラブと一線を画するリッチな見た目となっている。
「L-カップ構造」、いわゆるカップフェース構造の採用、ソール前方に配された反発性能を高める溝「トリプルスロット」、内面に放射状の偏肉設計を施し高反発を実現した「ラジアルフェース」など、基本的なテクノロジーはベレスBLACKと共通しているが、「『ベレスBLACK』と比べてよりフックフェースになっている感じがしますね」とプロゴルファー・堀口宜篤は言う。
「並べてみると『ベレスBLACK』のほうがストレートで、対して『ベレスAIZU』はよりつかまえてくれそうな形状ですね。構えた段階でスライスはしなさそうだなという印象を受けます」(堀口、以下同)
では試打した際の評価はどうだろうか。ロフト10.5度モデルに純正シャフト「ARMRQ MX 3S」のSRフレックスを組み合わせたモデルでの試打データの平均値とインプレッションを見てみよう。
【堀口のベレスAIZUドライバー(10.5度)の試打結果】
HS40.7m/s キャリー223Y トータル241Y 打ち出し角14.3度 ボール初速61.3m/s スピン量2988回転
「打感や打音の弾き感は『ベレスBLACK』と同様ですが、やはりつかまり性能は高いですね。ベレスBLACKもつかまった球が打てましたが、『ベレスAIZU』に関しては逃がそうと思って打っても球がつかまってしまう感じです」
堀口には数球打ってもらったが、いずれも弾道はドロー系。「しっかりつかまえてくれるので飛距離も出ますしバックスピンもかかりすぎることなく、一定の数値で収まっていますね」という。
「純正シャフトに関してもやはり『ベレスBLACK』より軟らかく、しなり戻りがしっかりある印象です。スライサーには非常にオススメできそうですが、シャフトが3Sのモデルに関して言えば、ヘッドスピード40m/sくらいまでの方に合いそうですね」
また、今回の試打で堀口にはARMRQ MX 3Sと組み合わせたモデルを打ってもらったが、「ベレスAIZU」の純正シャフトはモデル名末尾の数字が「2S」から「5S」まで全4モデルあり、性能自体もモデル名末尾の数字が大きいほどトルクが抑えられ振っていけるモデル、数字が若いほどトルクが大きいがそのぶんカウンターバランス仕様にするなど安定性を高めた仕様と変化がある。
しかも、ヘッド・シャフトのカラーリングも2Sでは白、3Sは金、4Sは黒、5Sは赤とそれぞれ分けているというこだわりっぷり。「シャフトの性能自体に加え、ヘッドとシャフトのカラーリングもモデルごとに変えて統一感が出せるのは、シャフトも自社で開発している本間ゴルフならではの売り方と言えますね。面白いです」と堀口。
加えて、各モデルごとにそれぞれフレックスもR2、R、SR、Sと4段階分かれている(一部フレックスはオーダー対応)ため、アベレージゴルファーがより適切なスペックを選ぶことができるというわけだ。
ただやはりネックとなるのは14万8500円(税込)という価格設定。とはいえ日本美を取り入れた唯一無二のリッチな見た目、そして性能自体も確かなモノ。一度試打してみる価値はありそうだ。