米男子ツアー22年初戦セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズは稀に見るバーディ合戦の中、オーストラリア出身の28歳キャメロン・スミスが世界ランク1位のジョン・ラームとの激闘を制し72ホールのツアー最少ストローク記録を塗り替え通算34アンダーで優勝を飾った。過去大会2勝の本命ジャスティン・トーマスは9打差の5位タイ。しかし3日目にはコースレコード61(12アンダー)をマークし存在感を見せつけた。

ハワイ、マウイ島のカパルアリゾート、プランテーションコースは広々としたフェアウェイと高低差のあるダイナミックなレイアウトが特徴的。だがトッププロにとってはビッグスコアが出やすくトーマスが61をマークしたのと同じ日ラームも61を叩き出し、最終日には41歳のベテラン、マット・ジョーンズがバック9で2イーグルを奪い61の猛チャージ、単独3位に食い込んだ。

これまでの記録は62でジェイソン・デイ(15年)やザンダー・シャウフェレ(19年)ら計5人が記録してきたが1試合で3人が新記録をマークしたわけだから今年のカパルアは与しやすかったのかもしれない。しかしトーマスがこれまでに打ち立ててきた記録を振り返ると今回の61も納得だ。

何しろソニー・オープンの開催コース、ワイアラエではゴルファーにとって夢の数字『59』をマークしており、エリンヒルズで行われた全米オープンでは「63」、BMW選手権のメダイナNo.3では「61」のそれぞれコースレコードを保持。しかも15年以降彼は62以下のラウンドを9回達成しており、この数字は強者揃いのPGAツアーでも群を抜いている。

画像: かつては松山英樹が好調のときにトーマスも好調で優勝をさらっていくので、松山キラーとも言われていた(写真は2020メキシコ選手権 撮影/姉崎正)

かつては松山英樹が好調のときにトーマスも好調で優勝をさらっていくので、松山キラーとも言われていた(写真は2020メキシコ選手権 撮影/姉崎正)

はじまりはおよそ20年前。9歳のときに出場した世界ジュニア選手権で当時タイガー・ウッズが持っていたコースレコードを破ったときからトーマスのコースレコードハンターの歴史がスタートする。「どんなコースだったか朧げながらしか覚えていないけれどタイガーの記録を破ったことだけははっきり覚えている。あのときは人生最高の気分だった」とトーマス。

だがカパルアで22年のプレーをスタートさせたときは最悪な気分だった。初日74のオーバーパーを叩いた彼は「リーダーボードを見上げたら最下位だった」と苦笑い。3日目に61をマークしたときは「イージー12アンダー、なんてものがあったとしたらまさに3日目がそうだった。アグレッシブに攻めたわけでもなく特別なことは何もしなくても普通にプレーした結果が12アンダーだった」

「(スコアを)伸ばし始めたら止まらない。それがトーマス。見ているこっちの方も楽しくなる」というのは同じ年のライバル、ジョーダン・スピース。

もちろんコースレコードをマークしたからといってそれが成績に直結するわけではない。だが観るものを魅了することだけは確か。トーマスの華麗なるコースレコードハンターの履歴は続く。

画像: このダイナミックなスウィングが爆発的なスコアを生み出している(写真は2020メキシコ選手権 撮影/姉崎正)

このダイナミックなスウィングが爆発的なスコアを生み出している(写真は2020メキシコ選手権 撮影/姉崎正)

- YouTube

youtu.be

This article is a sponsored article by
''.