12月に発売された12代目「ゼクシオ」が、まさに定番という強さを見せて好調な売れ行きだという。とくにやや若年層向けの「ゼクシオ X」が前作を大きく上回る人気となっている。
しかし、はるかに好調なのは女性向けの「ゼクシオ12 レディース」だ。発売初週の12月下旬には、メンズを含めたすべてのゴルフクラブの中で、ダントツの売れ行きとなっている。テーラーメイドとキャロウェイが年明けの新製品発売を控えて、店頭での販売をセーブしていたことを差し引いても、レディスモデルがここまで存在感を示したのはこれまでにない現象だ。
「ゼクシオ12 レディース」の特徴のひとつが、すべてのカテゴリーで人気であることだ。ドライバーはもちろん、フェアウェイウッド、ユーティリティでも、発売初週の売れ行きは他のメンズモデルを大きく引き離していた。とりわけ強かったのがアイアンセットで、比較的高額なモデルであるにも関わらず、各メーカー人気のプロモデルが、束になってもかなわないほど、よく売れている。
ここ数代の「ゼクシオ」は、今も変わらず非常にファンの多いブランドではあるものの、いっぽうで近年は海外メーカーのモデルが注目を集め、かつてほどの存在感があるとは言い難い。しかし、そんな中でも非常に女性ゴルファーからの熱い支持を受けているのが、「ゼクシオ レディース」なのだ。女性用クラブとしては、ほぼ唯一、メンズを含めた全体のランキングにランクインしており、それもメンズのヒット作と比肩するほど人気がある。
「ゼクシオ12 レディース」になって、そんな流れはさらに加速したようだ。前作11代目「ゼクシオ レディース」と比較して、発売初週の売れ行きはドライバーで約2倍。他のカテゴリーも60〜84%増と驚異的な伸びを見せている。
ここまで人気となる要因を推測してみると、女性ゴルファーの多くが、男性と比較してクラブにあまり興味がないことが挙げられるのではないだろうか。クラブを買い替えたり、シャフトを入れ替えたりするのが楽しいギアマニアが多い男性に比べると、女性はクラブで問題を解決しようという人は少数派だ。
その結果、女性ゴルファーのクラブ選びは、鉄板の定番ブランドである「ゼクシオ」に集中してしまうのではないだろうか。周囲からも「ゼクシオ」にしておけば安心、みたいなアドバイスがあるのかもしれない。
近年は、他のメーカーも女性向けモデルに力を入れているところが多い。絶対王者「ゼクシオ レディース」の牙城がこのまま盤石なのか、注目したいところだ。
※(参考資料)矢野経済研究所「YPSゴルフデータ」より