毎年、さまざまなコンセプトのシャフトが登場するが、ほとんどが数年でモデルチェンジや廃盤になる。今回は、松山英樹が使う「DI」と同じように多くのゴルファーから長く支持されていてる「ツアーAD PT」の人気を、クラブナビゲーターの吉田朋広が検証!
グラファイトデザインの「ツアーAD」の原点ともいえるこのシャフト、2005年にシリーズの真ん中に位置する、基準のシャフトとして開発され発売されました。
「PT」のネーミングの由来はあまり知られていませんが、じつは「PROTO TYPE」の頭文字を取ったものなのです。ちなみに現在のカラーリングは2014年から採用されています。
「クセのないシャフト」と言われますが、手元側から先端部にかけてじょじょに軟らかくなる中調子のシャフトで、スウィングした際に全体的にしなりが感じられるのが特長です。
個性的なシャフトが多いなか、誰が打っても振りやすい! いわゆる「走り系シャフト」などの言葉もなかった時代のシャフトですが、現在の大型ヘッドでもスムーズにしなり、ボールをつかまえやすい動きをしてくれます。
先端部に比べて手元剛性はやや高いものの、切り返しでのタイミングの取りやすさは「ツアーAD」の中でも1、2を争うほどといえるでしょう。ゴルファーのタイプを選ばず、使いやすくてそこそこの結果が出せる、これが長い間支持されている理由のひとつだと思います。
シャフト自体が仕事をするような設計ではないので、ミスを修正するような使い方はできませんが、中・長期的に自分のスウィングを作ろうとしている方や、スウィングの修正に取り組んでいるアマチュアの方にはぜひ使ってみて欲しいシャフトです。
使ってみて「PT」がカスタムシャフトの基準とわかるようになると、自分のスウィングにも基準ができ、ヘッドとのマッチングや今後どのようなシャフトが必要かも分かりやすくなると思います。