PGAツアー「ソニーオープンinハワイ」にアマチュアとして参戦し予選を通過、通算10アンダー41位タイでプレーを終えた中島啓太。そのプレーを間近で見たテーラメイドのツアーレップ・真野義英氏に、“中島と世界との距離”を聞いてみた。

「1年間戦ったら(シード権内の)125位以内には入りますね」(テーラーメイド・真野氏)

松山英樹の通算8勝目で幕を閉じたPGAツアー「ソニーオープンinハワイ」。同試合には、アマチュア・中島啓太も参戦していた。

中島は昨年10月に日本で開催された「ZOZOチャンピオンシップ」がPGAツアー初参戦で今回が2戦目。初の米国開催でのPGAツアーとなったが、初日に3アンダー、2日目は6アンダーを積み重ね、5位タイで予選を通過。3日目と最終日では順位を落としたものの、最終的に通算10アンダー41位タイで試合を終えた。

現地でツアーレップとして中島をサポートしていたテーラーメイド・真野義英氏は「全然(PGAツアー)戦えます。足りないものがすでにないですね」と率直な感想を教えてくれた。

画像: PGAツアー「ソニーオープンinハワイ」にアマチュアとして参戦し、通算10アンダー41位タイでフィニッシュした中島啓太(撮影/Blue Sky Photos)

PGAツアー「ソニーオープンinハワイ」にアマチュアとして参戦し、通算10アンダー41位タイでフィニッシュした中島啓太(撮影/Blue Sky Photos)

「もうココ(PGAツアー)で戦う武器は全部持っていますね、精神的にも技術的にも。2日目終了時点で同スコアではありましたが、中島君が初めて3日目で松山プロのスタートを見送った日本人選手じゃないですか? 松山プロ本人もコメントしていましたが、相当刺激になったと思いますよ」(テーラーメイド・真野氏、以下同)

真野氏によれば中島のドライバーの飛距離は「306ヤードで(PGAツアーの)真ん中よりちょっと上、50~60番目くらい」でバンカーを越えていくのにはじゅうぶん。加えて「アイアンのボールストライキングも素晴らしいです。ショット力、マネジメントについても十分で、(試合中に)変に取り乱す感じもないので、1年間フルで戦ったら(シード権内の)125位以内には現時点で入れると思います」という。

プレー面でも驚かされたという真野氏だが、加えて「長期的な計画を持って取り組んでいるのが、改めてスゴイなと感じました」と話す。

「というのも2日目のプレー後に、普通にトレーニングしていたんですよね。その影響で体力が枯渇して3日目(スコアが)落ちたというのもあると思います。もちろん、この試合でも本気で優勝を狙っていたとは思いますが、それでもトレーニングは欠かさない。今後のことも見据え、計画的で甘えのない感じが、改めて垣間見えました」

真野氏によれば中島のスケジュールは「本当に分刻みの管理で、ひたすらプログラムのなかで生きている感じ」だという。

「トレーニングや食べるもの、そのタイミングまですべて決められていますね。だからこそやっていることがブレない。そのタイムマネジメントには本当に感心します。本当に長期的な目線の計画で、たとえば『来年にマスターズで勝つ』みたいな気を急いた感じではなく、五か年計画で考えている感じですね。松山プロより速いペースでメジャーで勝つことを考えているんじゃないですかね」

これらの計画は、中島もメンバーに選ばれた、JGAナショナルチームのコーチ、ガレス・ジョーンズ氏が組んだ育成プログラムも大きく影響している。

「こういった指導のプログラムが定着していけば、松山プロのような全部自分で考えて、決めてやってきた“偶然的な天才”は生まれないでしょうが、中島君のような決められたことを徹底的にやり抜くタイプの天才がまた必ず出てくるな、と思いました」

もちろん松山と中島は前述したように練習や向上する際のアプローチの仕方は違うものの「やり抜くっていうのは共通する部分ですね」と真野氏。

「プレー面であえて言うなら、まだそこまで(攻めるだけの)自信がついていないのか、アグレッシブにピンを狙っていい状況でも、セーフティな場所を狙う感じはありました。パッティングもウィークポイントでしたが、徐々にスタッツもよくなってきていますね。今後の伸びしろもじゅうぶんある選手です」

今年秋にはプロ転向を予定しており、4月には初のマスターズ参戦、6月には全米オープン、7月には全英オープンと、アマとしては最後の出場となるメジャーが3つ控えている中島。その今後の活躍に要注目だ。

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