ミスの傾向がどんな弾道なのかによってメカニズムも改善法も大きく異なると小島慶太プロ。小島はプロテスト合格後にツアー参戦したあとティーチングプロ資格、トラックマンマスター、TPIレベル3、タイトリストフィッテイングスペシャリストなどスウィング面と計測器、フィッテイングまでの幅広い資格を取得した異色のプロ。ここではショートアイアンでロフト通りの距離が出せない弾道を解説してもらうことにした。
45度のPWで打ったものの飛距離は100Yに満たない、と思った飛距離が出せなかったケース。小島のタイトリストでの10年のフィッター経験の中で、じつはこのようにショートアイアンでロフト通りの距離が打てないアマチュアゴルファーが多いという。クラブフェースの向きや軌道はどうなっているのだろうか(画像A)。
「ヘッドスピードやボール初速にもよりますが45度のPWであれば、10度くらい立った35、6度のロフトでインパクトしていいと思います。画像では43.6度と表示されていますので、かなり寝てインパクトしているという印象です」(小島慶太プロ、以下同)
ではこのミスが出るスウィングの傾向を教えてもらおう(画像B)。
「この場合は切り返しで上体から動き出してしまう傾向があります。上体から動き出してしまうことでヘッドから振り出してしまい、インパクト前に左腕とクラブが一直線になってアドレスよりもロフトが寝た状態で当たってしまうのです」
このリリースが早くタメほどけてしまうスウィングになってしまう原因のひとつであるアドレスの構え方をチェックして欲しいと小島。
「ボールを少し中に、スタンスの真ん中に置きロフトを立てた構えをして欲しいですね。そうすることでボールをすくうような動きからボールをしっかりフェースで押し込んで打てる準備が整います」
そして最大の原因はタメがほどけてしまいボールをすくうような動きになって、ボールにエネルギーを伝えられていないと小島プロ。そこで効果的なドリルを教えてもらった。
「ハーフ止めドリルといいます。1でテークバックでシャフトが地面と平行な位置で止めます。そこから2で左腕とクラブが90度になるようにしっかりと角度を作ってトップへと向かい、3でボールを打ちます。そうすることによって切り返しで左腕とクラブに角度がついた状態でダウンスウィングに入る感覚がつかめるはずです」
シャフトが地面と平行になる位置でしっかりと止め、そこからスタートすることで左腕とシャフトに角度ができ、その角度をキープしたまま切り返すとダウンスウィングでタメができてインパクトに向かうことができると教えてくれた。このドリルを繰り返すことで入射角がダウンブローになり、ロフトをしっかり立たせてインパクトできるようになることで飛距離を確保することができるという。
実際にこの「ハーフ止めドリル」で打った数値が画像Eだ。入射角は4.8度ダウンブローでインパクト時のロフトは29・8度としっかりとロフトが立って当たることができている。
PWの場合は、アドレスでボールをスタンスの真ん中に置きロフトが立つようにセットアップし、ハーフ止めドリルを繰り返し練習することで正しいインパクトを体感し、ショートアイアンの飛距離不足を解消しよう!
取材協力/4plus フィッティングスタジオ&ゴルフサロン