調子がいいのに大叩きの理由とは? グッドポジションを得る番手選び
スコアをまとめるために求められるのは、必ずしも「グッドショット」ではなく、次のショットが有利になる「グッドポジション」にボールを運ぶこと。「狙ってもどうせその通りにいかないから」と適当に打っていては進歩は望めません。
1打ごとに、残り距離を把握し、状況を判断し、攻めるルートを決め、使用するクラブと打ち方を決定する。このプロセスこそがゴルフの醍醐味。距離計に出た数字を見て自動的に使用クラブを決めて、ただ打つというだけでは、ゴルフの楽しみを半分以上放棄しているようなものです。
状況判断には球のライ、風向き、傾斜、ピンの位置などなどさまざまなファクターがありますが、見落とされがちなのが「番手ごとのクラブの特性」です。
当たり前のようですが、長さが短くロフトが多い番手ほどつかまりやすく、長くてロフトの少ない番手ほどつかまりにくいというのが原則。この原則を頭に入れておくだけで、プレーの質を変えることができます。
たとえば、パー5のセカンドショット。右サイドがずっとOBでとにかく右には曲げたくない。そんな場合、3番ウッドよりロフトが多く短い5番ウッドを選択することで、右に出るミスの確率はグンと少なくなります。グリーンを狙うショットの場合でも、左が怖いなら大きめのクラブでコントロールショット、右が嫌なら短めのクラブでしっかりと。という考え方ができます。
もう少し具体例を挙げましょう。ピッチングウェッジでギリギリ届くかどうかという距離が残ったとします。
ここで番手を変えずに強振してしまえば、ただでさえ、つかまりやすいショートアイアン、ヘッドが過度にターンしてインパクトロフトが減った上に、左に出やすくなるわけですから、左奥への大オーバー。といった「大事故」の可能性が高くなります。これではたとえショット自体はフェースの芯でとらえた当たりだったとしても、「ミスショット」と言わざるを得ません。
もうひとつ、ドライバーの飛距離が200ヤード未満で、フェアウェイウッドやUTを多用する女性やシニアゴルファーの方へ。
たとえば、グリーンまで残り150ヤード、上りの傾斜がプラス15ヤードだとします。トータル165ヤードと計算するのは間違いではないですが、15ヤードも打ち上げていくなら、3番ウッドではなく、7番ウッドなどのショートウッドの方がラクにキャリーが稼げます。また3番ウッドで会心の当たりをしたとしても、グリーンで止められる確率はかなり低いでしょう。
会心の当たりでグリーンをオーバーして喜んでしまう方の気持ちもわかりますが、グリーン奥に外すと80パーセント以上ピンチになりますので、届いてもグリーンに止まらないクラブで狙うのは無謀ということになります。
闇雲にグリーンに近づけようとするのではなく、次のショットがやさしい「グッドポジション」を見つけて狙っていく。それを念頭に置いたプレーを心掛けると、それだけで1打ごとの達成感も高まりますし、ショットの目的が「ボールを運ぶこと」にフォーカスされますから、少しくらい当たりが悪くても気にならなくなるという相乗効果も生まれます。
クラブの特性を加味して番手を選ぶ。よかったら次のラウンドで頭の片隅に置いてみてください。