100切りを目指すうえで極力避けたいのがティーショットのOBによる罰打。とはいえどんな気をつけていてもショットが曲がってしまいOB、なんてことは起こりうるわけだが「そのときに、打ち直しのときに気をつけてほしいことがあるんです」と兼濱は言う。
「それは『OBに対処しようとしないこと』。1打目で起こったミスを防ぐため意図的にアドレスやスウィングの形を大きく変えるのはオススメしません。理由はその瞬間自分が何でミスをしたかという自己分析が難しく、修正したとしてもそれが正解かどうかわからないからです。実際にスウィングがズレていた可能性もありますし、外部要因の可能性もありますからね」(兼濱、以下同)
もちろん対処がハマれば結果オーライとなるが、もし的外れな修正をしてしまった場合「ティーショットがさらにおかしくなり、その1日を通してまともなゴルフにならなくなってしまうリスクがあります」と兼濱。
「ベストな対処法は、打ち方は変えずいつもの自分のスウィングに戻ること。基本的には『いつもの自分のスウィングなら大丈夫』というマインドセットでいてほしいですね。ショット前に連続素振りをして、練習場でのスウィングを思い出してください」
さらに言えば「どっちみちOBは出てしまうものと覚悟しておいて、それが早かったか遅かったかというだけ、と思えるかどうかもメンタルマネジメントとして大事ですね。極論を言えば、めちゃくちゃいいプレーができる前提ならOBを4回したとしてもなんとか100切りペースですから」と兼濱。
それでも打ち直しのときには不安がある、またはドライバー自体に自信がないのであれば「1打目でOBしたら打ち直しでは別の番手を持つというルールを定めておくっていうのもひとつの手ですね」という。
「たとえばドライバーを持ってOBしたら次は7番アイアンで打つ、などですね。とくにドライバーが苦手な方なら、それ以外の自分の得意な番手で打ったほうがいいでしょう。こういった決めごとをあらかじめ作ってプレーの方針をわかりやすくしておくことも大切ですよ」
また、2019年のルール改正で「紛失球となった、またはOBとなったところを推定して、2打罰でドロップできる」というルールが追加され、特設ティーがないホールでもプレーイング4が可能になった。ルールとなった以上「使えるなら使ったほうがいいですよね」と兼濱。
「たとえば朝イチのティーショットでOBしてしまい打ち直しに不安があるなら、プレーイング4を選択することで、さらなる大叩きを防ぐことができます。また、とりあえずでも前に進むことで他のプレーヤーがショットも打ちますし、待ちの時間ができれば素振りもおこなえて、体もあったまってきますよね。ぎこちなかった朝イチの状態から“いつもの自分”に戻るための時間を作れるというのも大きなメリットですよ」