タイトリストからプロV1・V1xに続く第3のボール「AVX」の新モデルが3月に発売される。発売に先駆けてコースで試打する機会を得たプロゴルファー・中村修が試打レポートをお届け。

スピン性能と打感に優れるウレタンカバーのボールはツアープロの要望に応える最高峰の性能を持つボールとして各社とも開発にしのぎを削っています。男女ツアーで高い使用率を誇るタイトリストの「プロV1」・「プロV1x」ですが、同じウレタンカバーを採用した第三のボールとも言える「AVX」の2022年モデルが発売されます。

画像: タイトリストから3月に発売される「AVX」は「プロV1・V1x」とはスピン性能、打感、弾道の高さに違った性格を持たせた第3のボールとして注目される

タイトリストから3月に発売される「AVX」は「プロV1・V1x」とはスピン性能、打感、弾道の高さに違った性格を持たせた第3のボールとして注目される

どのメーカーも打感の硬さやスピン性能に差をつけた2種類をラインナップしていますが、「プロV1」「プロV1x」に続く第三のボールとして「AVX」の性格を比べて見ると下記のようになっているといいます。

スピン性能の高い順に プロV1x>プロV1>AVX
打感の硬い順に プロV1x>プロV1>AVX
弾道の高い順に プロV1x>プロV1>AVX

この性格から「AVX」は3つのウレタンカバーボールの中でもっともスピン量が少なく、もっとも打感が軟らかく、もっとも低弾道という性格をもたせている、との説明を受けました。ここで心配になるのは、スピン性能が低くショートアイアンやアプローチで止まらないのではないか。弾道が低いことでグリーンに落ちる落下角度(ランディングアングル)が確保できずに止まらないのではないかということです。さっそくコースに移動して確かめました。

まずはドライバーで「AVX」・「プロV1」・「プロV1x」と打ち比べます。インパクトの感触や打音の違いから説明を受けた通りの打感の軟らかさが感じられます。とくにロングゲームと言われるドライバーやロングアイアンでのスピン量が少なくなるように設計されているので、ドライバーのスピン量が多過ぎて飛距離に結びつかない、曲がり幅が大きいタイプのゴルファーには優位になるだろうと感じました。3モデルの中でいちばん低弾道ということでしたが、弾道の高さよりも低スピンのせいか前に進む強い弾道にメリットがある印象です。

続いて8番アイアンでトラックマンを使って計測しながら「プロV1」と「AVX」を打ち比べてみました。結果から言うと確かにスピン量は400rpm程度低い数値は出ましたが狙ったエリアに止まらないという程ではありませんでした。弾道の高さについてもほんのわずかに低いかな、という程度でしたが、「プロV1x」を打って比較してみると一段高い弾道だと感じます。

画像: 「AVX」「プロV1」の2モデルでトラックマンを使って8番アイアンの弾道計測した

「AVX」「プロV1」の2モデルでトラックマンを使って8番アイアンの弾道計測した

下の表はトラックマンで計測した数値ですが、上が「プロV1」、下の段が「AVX」です。スピン量、弾道の高さにわずかに差が見られますが落下角度にはほとんど差がありませんでした。打感の軟らかさはここでも感じられました。

画像: 上の段が「プロV1」で下の段が「AVX」の数値。比べてみるとスピン量が約400rpmの差、弾道の高さで約3ヤードの違いが見られた

上の段が「プロV1」で下の段が「AVX」の数値。比べてみるとスピン量が約400rpmの差、弾道の高さで約3ヤードの違いが見られた

続いてグリーン周りのアプローチでは、「プロV1」よりも軟らかい打感だというメーカー担当者の説明に「プロV1」に似た感触の打感の軟らかさを感じながらも嫌な軟らかさではありません。普段使用している自前のウェッジでアプローチしてみても、打ち出しの初速、高さもスピン性能が低いと感じることはありませんでした。

画像: 硬くて速いツアー並のセッティングでなければ大きなスピン性能の差は感じられない

硬くて速いツアー並のセッティングでなければ大きなスピン性能の差は感じられない

これらのテストの検証結果から高いスピン性能は、硬くて速いグリーンでシビアなピン位置を攻めたりする場合には重要になる要素ではありますが、一般営業のグリーンの硬さやスピードでのグリーンにおいて「AVX」のもつスピン性能で不足を感じるシーンは少ないことでしょう。そのことよりも「プロV1・プロV1x」よりも軟らかい打感やドライバーなどのロングゲームでスピン量が少ないことによるメリットの方が多くのゴルファー受け入れられる可能性がありそうです。

最後にゴルフの中でもっとも繊細なフィーリングや打感を重視するパッティングでどう感じるか?ここはボール選びにおいて、かなり重要な要素になると思います。

松山英樹選手が使うスリクソン「Z-STAR XV」はパターの打感を最重要視して開発したといいますが、同じスリクソンブランドを使用する稲森佑貴選手は柔らかい方の「Z-STAR」を使用しています。稲森選手も松山選手と同じようにパターの打感でボールを選んだと話していました。好みと言ってしまえばそれまでですが、1ラウンドで30回前後は使うパットでのフィーリングは重要な要素になります。

朝の練習グリーンで出球の速さやインパクトで感じるボールの重さや感触で距離感を作りますよね、そのときに感じる打感や打音は大きな要素になっているはずです。使っているパターの素材やインサート素材によっても打感や打音の感じ方も変わってきます。今まで使っていたボールとあまりに変わる打感や打音になる場合は、ある程度慣れる時間も必要になってくるでしょう。

そういう意味でもじっくりと試打をしてボールが馴染むことで、そのボールのもつ性格と自分のプレースタイルがマッチするようになるとスコアアップにもつながるはずです。自分にマッチしたボールを選びの選択肢に「AVX」を加えてみるだけの価値はありそうです。

画像: ピンの新製品「i525」アイアンをトラックマンで計測試打!コントロールできる「ちょい飛び」系だ! youtu.be

ピンの新製品「i525」アイアンをトラックマンで計測試打!コントロールできる「ちょい飛び」系だ!

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