まずはテーラーメイドの「ステルスプラス」から見ていこう。このモデルの最大の特徴はソール。過去モデルでも採用されていた、抜けをよくする「Vスチールソール」を発展進化させたV字形状のスチールウェートが配置されているのだが、その重量がなんと80グラム。
加えてクラウンにはカーボンを採用することで、さらに低・深重心化。V字形状によって前方のトウ・ヒール、最後方に重量が配分されていることで、寛容性も高まっている。
もうテーラーメイドのクラブではお馴染み、フェース下部でのミスヒットによる飛距離ロスを軽減するソール前方の溝「貫通型スピードポケット」も採用され、フェースには強靭で反発性能も高いZATECチタン素材を使用。これによりボール初速性能が高められている。では見た目の印象はどうだろうか。
「ディープで塊感のあるヘッドという印象で、強い球が打てるイメージです。前作の『SIM2』と比べると、クラウンのカラーリングが黒色になっているぶん、コンパクトに見えるのもいいですね」(堀口)
中村も「構えてみるとクラウンが盛り上がっていて塊感がありますね」と評価。では5番ウッド(ロフト19度)を試打した際の両者のデータの平均値と、インプレッションを見てみよう。
【堀口のステルスプラスフェアウェイウッド(5番)の試打結果】
HS43m/s キャリー213Y トータル230Y 打ち出し角15.3度 ボール初速60m/s スピン量3456.7rpm
【中村のステルスプラスフェアウェイウッド(5番)の試打結果】
HS43m/s キャリー213Y トータル232Y 打ち出し角15.3度 ボール初速58.3m/s スピン量3286.6rpm
「チタンフェースということもありシャキッとした打球音で、打感もちょっと弾く感じがありますね。球も強くて、5番でこんなに飛ぶんだ、っていう印象です。加えて球もしっかりと上がり落下角も確保できているので、狙いどころでしっかりと止まってくれそうです。飛距離性能、かなり高いですよ」(堀口)
「どちらかというと前に飛ぶ球の強さの印象が強いですが、しっかり高さも出ています。あと、『ステルス』シリーズのドライバーを打った際にも感じましたが、全然曲がらないです。ミスヒットの寛容性は高めですね。いっぽうでスピン量や弾道などをある程度コントロールすることもできます。操作性もある程度残しつつ、飛距離性能に振ったフェアウェイウッドという感じでしょうか」(中村)
では続いて「ローグST LS」を見ていこう。「ローグST」シリーズのフェアウェイウッドは全4モデルあるが、「LS」はロースピンで安定した強弾道が打てるモデル、という位置づけ。
外観を見てみると、目を惹くのはフェース下部に設置された約29グラムのタングステンウェート。これによりフェース下めでのインパクトでの飛距離ロスを軽減。加えてソール前方にスクリューウェートも搭載されており、低・浅重心となっているのが特徴だ。
もちろんフェアウェイウッド専用に発展進化させた、ボール初速を高める「ジェイルブレイクST」も搭載しており、低スピンでより飛ばせる設計になっているわけだ。
見ためについては「シャローでボールが上がりやすいイメージ。黒色もマット加工がされていて、『ステルスプラス』とはまた違った印象ですね」と堀口。中村も「『ステルスプラス』とはまったくの別系統ですね」という。では5番ウッド(ロフト18度)を試打した際の両者のデータの平均値と、インプレッションを見てみよう。
【堀口のローグST LSフェアウェイウッド(5番)の試打結果】
HS44m/s キャリー224Y トータル241.7Y 打ち出し角14.9度 ボール初速61m/s スピン量3020.7rpm
【中村のローグST LSフェアウェイウッド(5番)の試打結果】
HS43m/s キャリー220Y トータル242Y 打ち出し角12.2度 ボール初速61m/s スピン量2622.5rpm
「こちらも飛びますね。フェースはマレージング鋼が素材として使われていますが、打感は吸い付く感じで思ったより柔らかいです。高さについても、何もしなくてもボールを拾って上げてくれるのを打っていて感じますね。純正オリジナルシャフトの走り戻ってくるヘッドの入り方も含めて、クラブ全体として完成されている感じです」(堀口)
「飛距離性能は高いですね。重い球が打てて、マレージング鋼独特の硬さもなく、気持ちいい範囲での弾き感があります。スピンの少なさ、球の強さはもちろん、ドロー・フェードを打ち分けられる操作性もあるように感じました」(中村)
形状やコンセプトは異なるものの、飛距離性能の高さと寛容性、そして球の高さも感じさせた両モデル。ぜひ実際に試打してみて、その性能を確かめてみてほしい。