ゴルフではドライバーからフェアウェイウッド、ユーティリティにアイアン、ウェッジと、ショットに用いるクラブにもさまざまな種類がある。もちろん最終的にはすべてのクラブを十全に扱えるようになるのが理想だが、まず最初の一歩として練習に取り組むべき番手とはどれなのだろう。
よく初心者向けのレッスン記事などでは、キャディバッグに入れられる14本のクラブのちょうど中間にあたるロフト角設定であることから、まず7番アイアンから練習することが推奨されるケースが多いが、吉本に聞くと「7番よりもさらに下の番手、9番アイアンがオススメです」という。
「9番アイアンを推奨する理由はズバリ、ショートアイアンのほうがクラブの構造上ボールをつかまえやすいからです。とくに初心者の場合、まずつかまった球を打つことを覚えてほしいので、7番よりつかまえやすく、かつウェッジほど短過ぎない9番のほうがキレイなスウィングを形成しやすいんです」(吉本、以下同)
続いて9番アイアンを用いたスウィングの練習でまず取り組んでほしいと吉本が言うのは「連続素振り」だ。
「左右に連続で素振りをすることで“助走”をつけることができます。静止した状態からスウィングをスタートさせることがそもそも初心者の方にとっては難しいことなので、まずは連続素振りでクラブを振る感覚を覚えましょう。このとき、体の動かし方などはとくに気にしなくてオッケーです。腕が振れていれば、その動きに引っ張られて体も連動してきますよ」
このとき、クラブの握り方は「クラブの重心の真ん中で握る『重心アングルグリップ』がオススメ」と吉本。指の力を抜いた状態でクラブを肩で担ぐと、クラブヘッドの角度が自然と重心のバランスが取れた形になる。その状態でクラブを握り、ヘッドを地面側に下ろせば完成だ。
クラブを振る感覚がつかめたら「次は体にシャフトが当たるくらい大げさに手首を動かして連続素振りをしてみてください」と吉本。
「ゴルフスウィングでは手先だけで打つ、いわゆる手打ちはよくない動きとされていますが、だからといって手首を稼働させないわけではありません。むしろ手首をガチガチに固めてしまうのがNGなんです。なので、クラブを振る感覚がつかめたら、次はシャフトが体に当たるくらいしっかりと手首を使って連続素振りをしてみてください」
ゴルフスウィングでは体の軸を保つことが重要で、よく頭の位置がスウィング中に動かないことが体の軸を保てている状態の目安として語られるが「手首を正しく使えていれば、結果的に頭も残るようになりますよ」と吉本。
「むしろ頭の位置に意識を向けてしまうと、手首が固まってしまいがちなので、始めのうちは体の動きや位置についてはとくに意識せず振ってみてください」
クラブを振る感覚、そして手首を使う感覚がつかめたら、「最終的にヘッドが地面を擦る程度に素振りができればベストです」という。吉本の教えを参考に、9番アイアンの練習から取り組んでみてほしい。
協力/東京ゴルフスタジオ