東名カントリークラブ桃園コース5番ホールは、レギュラーティーから362ヤード、パー4のドッグレッグホール。まずコースレイアウト、ヤーデージを見た段階で注意すべきは「欲をかかないこと」だと兼濱は言う。
「パー4のなかではやさしめの距離で『あわよくばパーで上がりたい』と欲が出そうですが、107ヤード地点のフェアウェイ右寄りに松の木があるため、ショートカットが困難になっています。つまり、あくまでもティーイングエリアからの直線距離が短いというだけで、実際は遠回りをするため表記の距離よりも長めのホールというわけです。まずはヤード数だけで判断してはいけないですね」(兼濱、以下同)
理想的な攻略法を言うならば「フェアウェイ左サイドを狙ってフェードボールを打ち、松の木やフェアウェイバンカーを避けつつ飛距離を出す」という答えになると兼濱は言うが、これを100切りを目指すゴルファーが完璧にこなすのは至難の業。では具体的にどう攻めればいいのだろうか。まずは「絶対にやってはいけないことを確認すること」だという。
「このホールで言えば、ティーショットは松の木を避けて左を狙うわけですが、一番怖いのは左サイドへのOB。なのでまずティーショットでは“突き抜け”がない番手を選びたいところです。これは各々の飛距離にもよるところですが、飛ぶ人はとくにドライバーを持つとキャリーだけでOBになってしまうリスクがありそうですね」
さらに注意しておきたいのがフェアウェイバンカーの存在だ。このバンカーが配置されていること自体からも設計者側の意図が読み取れるという。
「このバンカーは『危ないから避けてくださいね』という意味合いもありますし『OBまで転がっていかないように止めてあげますよ』っていうバンカーでもあります。コースレイアウトが『越えられうかどうかの中途半端な距離を出すと、OBやバンカーに入っちゃうリスクがありますよ』と警告してくれているわけですから、ならば最初からバンカーに届かない番手を持ったほうがいいわけです」
手前のフェアウェイバンカーがレギュラーティーから打った場合173ヤード地点にあるので、「自身の飛距離に応じて約160ヤードを打てる番手でティーショットを打ちましょう」と兼濱。
「松の木を越えさえすれば、あとはグリーンまでは直線で約200ヤード程度。グリーン手前にもバンカーがありますし、万が一飛び過ぎてしまってもグリーン奥がOBとなっているのでリスクがあります。よって2打目で最大飛距離を狙わず少し刻んで、3打目でグリーンセンターを狙ったアプローチを打ちたいところですね。ここは各々の得意なアプローチの距離などにもよるが、2打目も、1打目と同じ番手で160ヤードを打ち、3打目で40ヤードのアプローチを打ってグリーンオン、といったルートが堅実です」
これならば2パットしてもボギー。3パット、あるいはそれ以前の段階で1つミスをしたとしてもダボで、100切りペースというわけだ。
「まとめると、このホールで言えば堅実に100切りを目指すなら、1打目からすべて刻む必要があるわけです。とくにティーショットでの突き抜けのOBは避けられるミスなので気をつけましょう。何も考えず『ティーショットだから』とドライバーを握ってしまうのはNGですよ」