ドライバーはフィッティングして自分に合ったカスタムシャフトを選んで装着するのが浸透してきた。次に気になるのはプロも使う選手が増えてきているアイアン用のカーボンシャフトだが、スチールシャフトと同じように選べばいいのか? クラブフィッターの小倉勇人氏に聞いてみた。

 クラブフィッターの小倉です。みなさんは、アイアンのシャフトはどのように選んでいますでしょうか。アイアンのシャフトは、ドライバーと違い、スチールとカーボンという素材の違いもあり、意外と分かりにくいところがあります。お客様に、選び方の基準をお聞きすると、何となくカーボンのほうがやさしそうだからなんてご意見が多かったですね。今回は、そんなアイアンシャフトの素材による違いと、選ぶ時のポイントをお話したいと思います。

 多くのゴルファーは、重いシャフトがスチールで、軽いシャフトがカーボンといった印象を持っていると思います。基本的に考え方としては、間違いではありません。素材自体の性質からも自然とそのようなイメージになりますし、メーカーで用意している純正シャフトのラインナップは、重めのモデルをスチール、軽めのモデルをカーボンといった使い分けをしていますから、そういった印象をもつことは自然だと思います。

 しかしアフターマーケット用のアイアン用シャフトのラインナップは、50グラム以下の軽量シャフトを除けば、60グラム台から120グラム台までのほとんどの重量帯でどちらの素材も選ぶことができます。

画像: アイアン用のカーボンシャフトといえば軽量というイメージだが、120グラム台の重いものもありスチールシャフトと同じ重量帯で選べる

アイアン用のカーボンシャフトといえば軽量というイメージだが、120グラム台の重いものもありスチールシャフトと同じ重量帯で選べる

 スチールシャフトのメリットは、素材本来の剛性の高さによるねじれにくさ。オフセンターヒットによるミスの軽減に有利です。対するカーボンシャフトは、設計自由度の高さによる、強い特性を付与できるところ。スチールシャフトでは難しい高弾道化といったことをカーボンシャフトは可能にしています。

 素材のチョイスに関しては、ミスの軽減や曲がりを抑えたいと考えるならスチール、球を上げたい、距離を少しでも伸ばしたいと考えるならカーボンといった分類の仕方が自然かなと思います。ただカーボンシャフトにもミスに強いモデルはありますし、すべて素材だけで分類することは難しいですね。クラブの性能を生かしてできるだけ楽にプレーしたいと考える方は、カーボンがよいと思います。モデルによって特性が変わるので、しっかりした調べや試打が大前提になりますが。
 カーボンシャフトを選ぶうえでひとつ気を付けておきたいのが、重めのモデルを選ぶ時の重量帯です。カーボンシャフトで重量を出そうとするとカーボンの量が多くなるため、シャフトの肉厚が厚くなります。そうすると同じ重量帯のスチールと比べて重く感じやすくなります。80グラム台ぐらいまでは、そこまで感じないのですが、90グラム以上になるとやや重く感じやすく、110グラムを超えると、かなり重く感じるようになります。この感じ方は、人によって左右されるので、一概には言い切れないところがありますが、覚えておいて損はないと思いますよ。スチールからカーボンに変更を予定している方は、ぜひ試打してその重さの感じ方の違いをチェックしたほうがいいでしょう。

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