ヘッドスピード速めのゴルファーに飛距離の恩恵がある
「ステルス」はシリーズの中心のモデルで、プロ・アスリートゴルファー向けのスタンダードモデル。構えてみるとオープンフェースですが、テーラーメイドユーザーなら違和感はないと思います。フェースはもちろん60層の積層カーボン、ソールはカーボンではなく金属ソール採用による低重心設計がなされています。
「ステルス プラス」 にあるソールウェートはなく、ウェートはバックフェース側に配置してあります。打感は「ステルス プラス」の締まった打球音と少し違い若干音質がおとなしく、やや軟らかい印象です。1発目から明らかに「ステルスプラス」よりも高い弾道でフェード系の球が出ました。フェース部分が軽くなったせいかヘッド後方にやや重みを感じます。
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ロフト9度でも「ステルス プラス」の9度よりもヘッドスピードは必要としませんがアスリートモデルですのでロフト通りの弾道といったところです。バックスピン量は少なめです。
私のヘッドスピード(42~44m/s)でもロフト9度で特別ボールが上がりにくいとは感じませんでしたが、高いボールを打ちたい方やボールが上がりにくい方は10.5度のヘッドをオススメします。
フェード系の弾道が打ちやすいヘッドですが、バックスピン量が増えすぎることもありません。ヘッド挙動は非常に素直で操作性もよく、つかまったボールも打ちやすく、アスリートゴルファーがコースで求める弾道の打ち分けもしやすいと思います。
ミスヒットにも強くアスリートモデルとしては非常にバランスの取れた完成度の高いヘッドだと思います。自分でボールをつかまえていけるヘッドスピードが速めのプレーヤーには飛距離性能的にメリットがあるドライバーです。
「HD」は操作してドローボールが出やすいヘッド
「ステルス HD」の「HD」はハイドローの意味で3モデルの中ではもっともボールのつかまりを求めた設計のヘッドです。構えた感じはフックフェースでなくストレート。「ステルス」同様に小ぶりに見えるヘッド形状はやはり「HD」といっても操作性を重視したアスリートモデルだということを感じます。
打ってみると「ステルス」と比較しても少しですがさらにボールが上がりやすいイメージです。重心距離がやや短めでヘッドターンもしやすくヘッド挙動も素直で振りやすい。カーボンフェースの打感は「ステルス」と同じに感じましたが、バックスピン量は「ステルス」よりも多い印象です。そのため弾道も安定していて、自然につかまりがいいボールが打てますが、意図的にドローボールを打ちにいっても左に巻き込むようなドロップ気味の弾道になることはありませんでした。いちばんつかまりがいいと思いますが、あくまでもそれは「ステルス」シリーズ3機種の中での話。アスリート用のドローバイアスモデルですので、スライサーが使って簡単にドローボールが打てるヘッド設計ではなく、ほかのメーカーのドローバイアスモデルのヘッドに比べると、このヘッドはストレートかフェードの弾道になると考えるといいでしょう。勝手に「ドローボールが出るヘッド」ではなく、操作して「ドローボールが出やすいヘッド」といった感じがぴったりでしょう。
9度のヘッドと10.5度のヘッドを打ちましたが、1.5度ロフトの差でも意外とヘッドの印象が変わりますね。10.5度のヘッドは弾道がやや高く、測定してもバックスピン量もやや多く数値が出ます。そのぶん安定感はありますのでやさしさを求める方にオススメです。
ボールが上がる人は9度のほうが推進力があり、ランを含めたトータル飛距離が出そうです。上級者がヘッド設計のメリットを生かしてパワーフェードも打ちやすいと思います。
個人的には前作の「SIM2」シリーズよりも3機種とも少しプロ・アスリート寄りの設計になっているように感じます。アベレージゴルファーで「ステルス」シリーズの購入を検討されている方はまず「ステルス HD」を試してみてから物足りなさがあったら「ステルス」を試すのがいいと思います。