早いもので、今週の「ダイキンオーキッドレディス」から、2022年の国内女子ツアーが始まる。11月の最終週までぎっしりスケジュールが詰まった今年の女子ツアーの見どころをトレンドウォッチャー・コヤマ カズヒロが紹介!

1. 女王、稲見萌寧の牙城を崩すのは?

2020-21シーズンに9勝をあげ、東京五輪でも銀メダルを獲得するなど、女子ツアーの主役となった稲見萌寧。切れ味鋭いショットに加え、アプローチとパッティングにも磨きがかかり、昨年終盤の故障の状態が心配されるものの、今季も賞金女王の最有力候補だ。

昨年も最終盤まで賞金女王を争った古江彩佳は今年からアメリカツアーに参戦。稲見の対抗馬として期待されるのは、昨シーズン5勝をあげた小祝さくら、同じく4勝をあげた西村優菜だ。二人ともオールラウンダーで弱点がなく、20-21年もシーズン通して活躍した。

そして、ブレイクしそうな雰囲気が漂っているのが、ジャンボ尾崎アカデミー出身で昨年はルーキーイヤーながら、賞金ランキング4位に入った西郷真央だ。西郷は優勝がなかったにもかかわらず、2位が7回という安定した成績をあげており、すでに実力がトップクラス。序盤の試合で、幸先よく初優勝するなどしたら、賞金女王争いをリードするような活躍が期待できるだろう。

画像: 圧倒的強さを見せつけツアーの主役となった女王・稲見萌寧。今シーズンも変わらぬ強さに期待(写真は2021年TOTOレディース 撮影/大澤進二)

圧倒的強さを見せつけツアーの主役となった女王・稲見萌寧。今シーズンも変わらぬ強さに期待(写真は2021年TOTOレディース 撮影/大澤進二)

2.世代交代は進むのか?

渋野日向子、原英莉花、勝みなみ、大里桃子等、いわゆる黄金世代が台頭したのもつかの間、二つ下のプラチナ世代(西村優菜、吉田優利、安田祐香など)やその下の西郷真央らの台頭で、世代交代が急速に進んでいる現在の女子ツアー。この流れはさらに加速するのかは、ツアーの大きな見どころになるだろう。

若手の台頭が目立つとはいえ、申ジエや上田桃子、菊地絵理香、渡邉彩香らのベテランや中堅勢がまだまだ元気で、若手にはない技術やインサイドワークの冴えを見せている。2度の賞金女王の経験を持つ鈴木愛もまだ20代で復活が待たれるところ。QTからの挑戦で出場権をほぼ手中にしている横峯さくらもいる。急速に若年化している女子ツアーに揺り戻しが起きるのかが注目される。

画像: 稲見のライバルとしても名前が挙がった西郷。果たして世代交代は進むのか?(写真は2021年 日本女子オープン 撮影/姉崎正)

稲見のライバルとしても名前が挙がった西郷。果たして世代交代は進むのか?(写真は2021年 日本女子オープン 撮影/姉崎正)

3. 新たにプロテストに合格した選手たちの活躍は?

コロナ禍の影響で、異例となる2回のプロテストが行われ、計43名のプロゴルファーが誕生している。昨今、レベルが高くなり、レギュラーツアーで活躍できるくらいの実力がないと合格できないとまで言われる過酷なプロテストの関門をくぐり抜けた選手たちが、ツアーの舞台でどんな活躍をするか楽しみなポイントだ。

93期でトップ合格、昨年のステップアップツアー「京都レディースオープン」で早々に優勝し、QTでも上位につけている佐久間朱莉。同じく、昨年のステップアップツアーでそれぞれ優勝を果たしている、岩井明愛と岩井千怜姉妹など、スター候補生がひしめいている。

2018年の原英莉花、2019年の稲見萌寧のようにQTの成績がかんばしくなくても、少ないチャンスをものにして、レギュラーツアーで活躍した選手も少なくない。新たにツアーに割って入るような、実力のある選手の登場を期待したい。

初戦の「ダイキンオーキッドレディス」は3月3日から。沖縄特有の強風が吹けば、波乱の展開もありそうだ。

画像: 新人ではステップアップツアーで優勝、QTでも上位の佐久間朱莉に期待が集まる(写真は2021年 QTファイナル 撮影/岡沢裕行)

新人ではステップアップツアーで優勝、QTでも上位の佐久間朱莉に期待が集まる(写真は2021年 QTファイナル 撮影/岡沢裕行)

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