シャフトフィッティングで「最近60グラム台のSフレックスが少し硬く感じてきた」という相談をよく頂きます。もちろんシャフトの銘柄によって選び方はさまざまですが、「60グラムのSR」、「 50グラムのS」ハッキリ言ってどちらもアリです。しかし合うタイプが少し違います。そこで今回はアマチュアゴルファーに人気の2つのモデルを例に取り上げ検証します。
まずはフジクラ「SPEEDER NX」。昨年秋の発売以来、人気があるシャフトです。女子プロゴルファーにも使用者が多くアスリートゴルファーにも振り応えのあるシャフトです。打ってみるといままでの「SPEEDER」よりもしっかりした印象ですが、ハード過ぎず、振りやすいと思えるでしょう。
「60S」だと手元側を硬く感じてしまい、トップからうまく切り返せなくなってしまったが、軽いシャフトだと手打ち気味になってしまうという人には重さはそのままで、手元剛性が低く、しなりが使いやすい「60SR」がオススメです。タイミングもよくなり、シャフトのしなりを使えることで飛距離アップしやすくなります。
重量を軽くしてもスウィングが乱れない、スウィング的に悪影響がない方には、軽くすることでヘッドスピードが上がる可能性がある「50S」がオススメです。「60S」からのチェンジでも「SPEEDER NX」の安定した先端部の挙動で厚いインパクトができますので、頼りなさは感じずデメリットも少ないと思います。飛距離アップを狙う方なら軽量化のメリットを生かして少し長めにして使ってもいいでしょう。
次は「ATTAS KING 」。13代目のアッタスは先調子のシャフトです。しかし先調子系のイメージで打ってみるとそれほど極端に先端部が走る感じはなく、スムーズに振れます。手元側に4軸織物を採用していますが、手元側を硬く感じることなく、切り返しのタイミングが取りやすい。先端部も極端に走り過ぎず、先調子シャフトにしては安定感があり、「自然とつかまったボールが打てるシャフト」といった感じです。
「6SR」は中間部から先端部にかけて緩やかに軟らかくなります。「6S」を使ってきたがシャフトをしならせきれなくなり、飛距離ダウンした方や方向性のバラツキが出てきたという人にいいでしょう。シャフトのしなりを感じやすく、切り返しもスムーズなのでボールもつかまりやすくなります。短めのレングスでの相性がよく、安定感とミート率アップを狙えますね。
「5S」は60グラム台のSよりも手元側の剛性が強くないので、重さと硬さが原因でヘッドスピードの低下や飛距離ダウンになっている方は、軽く扱いやすく感じると思います。ヘッドスピードを取り戻したい方、フィニッシュまで振り切れるスピード感の欲しい方、今までよりも長めのレングスに仕上げて飛距離アップを狙う方にオススメです。「ATTAS KING」の特性を生かしてドローボールも打ちやすくなると思います。
人気シャフトで検証してみましたがいかがだったでしょうか。共通して言えることは「60グラム台のS」が振れなくなっても重みを感じて切り返したい人は「60グラム台のSR」、「60グラム台のS」を使ってきて、ヘッドスピードダウンした人は「50グラム台のS」と覚えておいたほうがいいかもしれませんね。