プロとまったく同じスペックが使えるクラブといえばパター。それだけにプロの人気や活躍が売れ筋に直結してしまう。テーラーメイド「トラス」の人気が収まったいま、予想していなかったパターが売れているという。

「トゥーロン」パターといえば、ギアマニアにはおなじみだが、多くのゴルファーにとってはまだまだそれほど知名度は高くないのでは?と認識していたが、新しく発売された22年モデルがかなり好評だという。

「トゥーロン」パターは、かつてテーラーメイドで副社長を務めたショーン・トゥーロンが立ち上げたブランド。トゥーロン氏はかつては、緻密なフィッティング機能をもつ「Zevo Golf」を立ち上げ、テーラーメイド時代は「300」、「R7」、「R9」や「M1」といった時代を代表するモデルを矢継ぎ早に発売し、「ロッサ」や「スパイダー」を手がけるなど、パターカテゴリーでも大きな実績をもつ、ゴルフクラブ界でもっとも重要な人物のひとりだ。

2017年ごろに「トゥーロン」パターは、キャロウェイの傘下に入り、発売当初はそれほど目立たなかったものの、セルヒオ・ガルシアをはじめプロたちが試合で使い始めたことで、知名度が向上していた。

「トゥーロン」は、ステンレス削り出しの高級ラインナップのパターだ。トゥーロン氏のアイディアによる四角形を組み合わせた「ダイアモンドグルーブ・フェース」が特徴で、今年発売になったモデルは、6万500円(税込)と市場でもかなり高額なラインナップだと言える。

画像: トゥーロンの特徴といえば「ダイアモンドグルーブ・フェース」、ソリッドな打感でタッチが出しやすい

トゥーロンの特徴といえば「ダイアモンドグルーブ・フェース」、ソリッドな打感でタッチが出しやすい

パターの売れ行きは、使用しているツアープロの動向が大きい。2019年から20年にかけては、シブコブームの影響でピン「シグマ2」が空前の売れ行きだった。昨年は、東京五輪銀メダリストの稲見萌寧をはじめとするプロたちの活躍によって、テーラーメイドの「トラス」パターが大流行。現在もネックに三角形のトラス形状を持つ「TPコレクション ハイドロブラスト」が非常に人気でパター市場を牽引している。稲見が使用する初代「トラス」パターは入手が困難で、オークションサイトでは定価の3倍を超える値段がついているものもある。

というわけで、現在も「TPコレクション ハイドロブラスト」の勢いが強いのだが、「トゥーロン」パターの22年モデルは現在、それに追随するほど店頭で売れているのだという。キャロウェイ=オデッセイのパターの中でも、もっとも売れていて販売額ベースでの集計では、一番人気の「ラスベガス」という形状が、モデル別で全体の1位になるケースもあるという。

画像: 一番人気は「ラスベガス」。ショートスラントネックのタイプもある

一番人気は「ラスベガス」。ショートスラントネックのタイプもある

ヒットしている理由だが、やはり原英莉花をはじめ、ツアープロが使用している影響が大きいだろう。長年、テーラーメイドの看板選手であり、「スパイダー」の流行に大きな功績のあるジェイソン・デイも、現在は「トゥーロン」のマレット型パター(「デイトナ」)を使用している。有名プロがテストしているという情報にも事欠かない。

さらにいえば、高くてもいいからもっといいものが欲しい、というコア層のニーズに応えている側面がありそうだ。高級パターといえば、タイトリスト「スコッティ・キャメロン」が長年不動の人気を確立しているが、コア層はすでに1、2本はキャメロンを持っているのではないだろうか。新味があり、それでいて高級感があり、プロが使用するという魅力もあって、現在の「トゥーロン」人気につながっているようだ。

※(参考資料)矢野経済研究所「YPSゴルフデータ」より

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