まず中村、堀口の両名に打ってもらったのは「ステルスプラス」。特徴的なのはソールに配置された80グラムものV字形状のスチールウェートによる重量配分・寛容性の向上と、チタンフェースによって高初速性能を実現している点だ。
さっそく見た目の印象から聞いてみると、「ディープな形状のヘッドですが、フェース上部に入っているアライメントによって、フェースが少しシャローに見えるので構えやすさがありますね」と堀口。中村も「クラウンが盛り上がっていて塊感があり、操作がしやすそうです」という。
では5番ウッド(ロフト19度)を試打した際の両者のデータの平均値と、インプレッションを見てみよう。
【堀口のステルスプラスフェアウェイウッド(5番)の試打結果】
HS43m/s キャリー218Y トータル236Y 打ち出し角15.3度 ボール初速60m/s スピン量3258rpm
【中村のステルスプラスフェアウェイウッド(5番)の試打結果】
HS44m/s キャリー218Y トータル237Y 打ち出し角14.3度 ボール初速59.9m/s スピン量2772rpm
「チタンフェースなのでもっと弾くかな、と思っていましたが、予想以上に軟らかく吸いつくような打感で、球離れが速いということもないのでしっかり弾道も操作できそうです。叩いていけますし、球もかなり上がるので、これは飛距離が出ますね」(堀口)
「打感自体はチタン素材ゆえの硬さはなく、弾き過ぎない非常によい打感です。塊感のあるヘッドで叩いたようなしっかりとした感触で、そのぶんコントロールのしやすいですね。ミスへのやさしさもありますし、何より飛距離性能の高さがポイントですね」(中村)
続いて打ったのは「ステルス」。こちらはより直進性・寛容性を高めたモデルで、ヘッド体積が3番の場合で190ccと大型になっている。
またクラウンにはカーボン素材を採用しているが、上から蓋をするような形状ではなく、トウ側まで覆うような形状にすることで、トウ側の重量をさらに削減。余剰重量を低・深重心化するよう配置することで、より寛容性を高めているという。
「見た目については、『ステルスプラス』より投影面積も大きくシャローなので、ボールを上げてくれそうな感じがしますね。ライに対応した構え方もしやすいヘッドかなと感じます」と堀口。では『ステルス』の5番ウッド(ロフト18度)を試打した際の両者のデータの平均値と、インプレッションを見てみよう。
【堀口のステルスフェアウェイウッド(5番)の試打結果】
HS43m/s キャリー221.3Y トータル241.3Y 打ち出し角13.3度 ボール初速61.8m/s スピン量2982rpm
【中村のステルスフェアウェイウッド(5番)の試打結果】
HS43m/s キャリー216Y トータル235Y 打ち出し角17.2度 ボール初速60.3m/s スピン量2963rpm
「まず打感に関しては『ステルスプラス』よりは軟らかめ。『ステルス』のほうが出球がちょっと強く感じましたね。よりシンプルに打てて、しかも飛距離も出るクラブだと感じました」(堀口)
中村も「打感・打音が明確に違いますね。飛距離性能は『ステルス』に関しても高いですが、スピン量は『ステルスプラス』と比較すると少し入りやすいかなと感じました」と評価。では最後に、試打を終えての両モデルの評価、モデル選びの基準を堀口にまとめてもらおう。
「シャローでやさしく、シンプルに打てる『ステルス』と、ディープで比較的上級者といえる『ステルスプラス』といった感じでしょうか。とはいえ、どちらのモデルも寛容性・飛距離性能ともに高いです。もちろん細かな違いは多々ありますが、アドレスをしたときによりやさしさを感じるほうを選ぶ、というのも全然アリですね」(堀口)
協力/PGST