ロフトを変えるとフェース向きも変わる
ドライバーのネックに装着されているロフト・ライ調整機能を使いこなせているだろうか? 弾道の高さや曲がり幅、スピン量を使うプレーヤーにとって最適化するために装着されているが、ロフト角を変化させるときのポイントをプロゴルファーでTPIレベル3、タイトリストフィッティングスペシャリスト、トラックマンマスターの三刀流プロ・小島慶太プロに教えてもらおう。
「ロフト調整機能で変わるのは方向性、弾道の高さ、スピン量、落下角度などがありますが、いちばん大切にして欲しいのは、構えたときの見た目です。ロフトを寝かすとフェースは左を向き、立てれば右を向くように設計されているものがほとんどです」(小島慶太プロ、以下同)
例えば、テーラーメイドのSIMシリーズのネック調整機能では、ロフトを0.75度寝かすとフェース向きは1.5度クローズ(左に向く)になり、最大の2度寝かす「HIGHER」ポジションにすると4度クローズになるように設定されている。
それではタイトリスト「TSi3」を使って9度のロフトのデータと10.5度に寝かしたデータを比較してみよう。9度の場合は、打出し角は8.7度、スピン量が2258rpm、落下角度は26.3度と中弾道でスピンも少ない数値が表示されている。
それに対して10.5度に寝かした数値は、打出し角12.1度、スピン量2851rpm、落下角度40.9度と高弾道、スピン量は600rpm増え、落下角度も約41度と適性の範囲内におさまっている。
「好みの弾道の高さというのはもちろんありますが、ボール初速、打ち出し角、スピン量の三大要素で考えるなら、ボール初速が遅いプレーヤーの場合は打出し角をある程度確保することでドロップせずにキャリーを稼ぐことができますし、ボール初速が速いプレーヤーであれば中弾道であっても飛距離は稼げます」
まとめると、ロフトを寝かすと球のつかまりはよくなる傾向になるが、フェースも左に向くので注意が必要だ。9度のヘッドを寝かして10.5度にして左を向く見た目が気になるようなら、10.5度のヘッドを調達することも視野に入れたり、逆に10.5度のヘッドのロフトを少し立ててフェースを右に向かせることで好みの見た目にすることも視野に入れるべきであろう。