ゴルフには“スコアの壁”がつきもの。ビギナーを脱したアマチュアゴルファーに立ちはだかるのがスコア100の壁だ。これを乗り越え「100切り」を達成するにはどうすればいいか? プロゴルファー・兼濱開人が状況別に解説。今回は「つま先下がりのライ」からショットする際の注意点を教えてもらおう。

ゴルフコースの傾斜は「つま先上がり」、「つま先下がり」、「左足上がり」、「左足下がり」と大きく4種に分類されるが、なかでもつま先下がりからショットする際に気をつけるべきこととはなんだろうか。兼濱はこう説明する。

「つま先下がりのライでアドレスすると、平坦なライよりもボールの位置が低くなります。なので普段通りに構えるとボールにヘッドが届きません。また、体が正面側に流されやすい点にも注意が必要です」(兼濱、以下同)

画像: つま先下がりのライではゴルファーが立つ位置よりボールのほうが低い位置にある。そのためアドレスに工夫をしなければそもそもヘッドがボールに届かない

つま先下がりのライではゴルファーが立つ位置よりボールのほうが低い位置にある。そのためアドレスに工夫をしなければそもそもヘッドがボールに届かない

これらに対応するためにはアドレスにひと工夫が必要。まず、傾斜に逆らって立つために「両足のかかと寄りに体重を乗せて立ちましょう」と兼濱。加えて、ボールに対してヘッドが届くよう姿勢を低くする必要があるわけだが、具体的にどうするのが正解なのだろうか。

「前傾角度は普段通りのまま、スタンス幅を少し広げて両ひざを普段より深めに曲げることで対応しましょう。まずスタンス幅を少し広げるだけでも、普段通りのスタンス幅で構えたときより姿勢が低くなります。また、ひざだけで対応しようとすると、深く曲げるほどひざが体の正面側に出てスウィング中の手元の通り道を邪魔してしまうため、2つの工夫が必要になってくるわけです」

画像: 普段よりスタンス幅を広くし、手元の通り道の邪魔にならないようひざを落として構えよう

普段よりスタンス幅を広くし、手元の通り道の邪魔にならないようひざを落として構えよう

対して、姿勢の落とし方の悪い例として兼濱が挙げたのが、「前傾を深くして対応するパターン」だ。

「たしかに上半身の前傾を深くすればヘッドの位置はボールに届きますが、前のめりになりやすいつま先下がりのライでは重心のバランスが崩れる原因にもなりますし、何とか耐えてアドレスできたとしても、その姿勢をずっとキープしながらスウィングするのは難しいですね」

ボールにクラブが届く程度に姿勢の低いアドレスが作れたら、スウィング中もそれをキープし続けることが重要。「伸び上がったりするとボールとの距離が変わってしまいトップの原因になります。フィニッシュも、アドレス時に作った低い姿勢をキープしながら振り切るようなイメージで振りましょう」と兼濱は言う。

画像: アドレス時に作った低い姿勢をキープしたまま振り抜こう

アドレス時に作った低い姿勢をキープしたまま振り抜こう

加えて気をつけておきたいのが、つま先下がりからショットした際の弾道について。「『つま先下がりはスライスしやすい』というセオリーがよく言われますが、じつはそんなことはないんです」と兼濱は言う。

「クラブのライ角の影響でスライスが出やすい傾斜であることは確かなんですが、そもそも低い位置にあるボールを打つために下半身を落として構えるということは、スウィング中に体が動かしづらくなるということでもあります。すると体が止まるぶんフェースが返りやすいため、左に行きやすい傾斜でもあるんです」

画像: つま先下がりのライはクラブのライ角の影響でスライスしやすいものの、ライに対応した姿勢の低いアドレスを作って打つとフェースが返りやすくつかまりやすい

つま先下がりのライはクラブのライ角の影響でスライスしやすいものの、ライに対応した姿勢の低いアドレスを作って打つとフェースが返りやすくつかまりやすい

プロの場合は、コースレイアウトにもよるが基本的に「『つま先下がりではカットに振ってスライスしか打たない』というマネジメントをすることが多い」とのことだが、「アマチュアの方の場合はスライスも引っかけも出てしまいがちで、ゴルファーごとに対応の仕方が変わってしまうのもつま先下がりの難しいポイントですね」という。

とくに、平坦なライから打った際にスライスしないゴルファーであれば「意識してつかまえようとしないほうがいいと思います」と兼濱。対して普段からスライスが多く出るなら、ある程度スライスすると割り切って狙いどころを設定するのが吉と言えるだろう。

協力/広尾ゴルフインパクト

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