「僕の生徒さんでもよくあるのですが、シャフトの名前や記載されている数字をみて『いちばん低い数値がソフトなスペック』だと勘違いしてしまうアマチュアゴルファーが多いような印象を受けます。もちろんそういう場合もありますが、決してそうとは限らないということを覚えてほしいと思います」(吉本、以下同)
日本シャフト「モーダス」といえば、「105」、「120」、「125」、「130」、そしてウェッジの5種類が代表的。だが、スペック違いのシャフトがゴルフショップに並んでいたとしてもゴルフを始めたばかりでは「どれを選んだらいいの?」となるはずだ。もちろんフレックス(硬さ)の違いで、スペックは変わるため今回は硬さ「S」のスペックに限定し、詳しく聞いてみよう。
「結論から申し上げますと、モーダスのなかで「120」がいちばんアマチュアゴルファーに合う、万人受けするモデルです。というのも、アマチュアゴルファーがスウィングを作るうえで、ある程度重たく、軟らかいシャフトがいちばんコントロールしやすい。まさに「120」がその通りのスペックでアマチュアゴルファーにオススメしたいスペックだと僕は思っています」
「120」は114グラムと重めで、中元調子だが全体がしなりクセがないシャフトのため、厚いインパクトを作りやすくスウィングを固めるうえで最適なスペックのようだ。さらに、シャフト全体は軟らかいが、先端だけ少し硬く作っているため「打点が安定してくれる」というメリットもあるとのこと。
だからこそ、吉本は「120」を「ニクい設定」といい、アマチュアゴルファーに試してもらいたいスペックだという。「120」を基準として「もっと硬いほうがいい」「重量がも少しあるといい」などと選んでいくほうが失敗する危険性は低くなるというわけだ。
「120」が万人受けをするシャフトで、合うゴルファーが多いということがわかった。では、その反対で選ぶうえで注意するべきものはあるのだろうか?
「モーダスシリーズを見たときに数字だけをみると『105』より『120』のほうが数字が大きいため『120のほうがハード』と勘違いしてしまうゴルファーは多いです。ですが、実際は『105』はいわゆる『軽・硬(かるかた)』のため、じつは上級者向けなんですよ。きちんとしなりを使えないとただの鉄の棒を振っているだけになってしまう。クラブの特性を生かせず、スウィング迷子になる可能性が高くなるため注意してほしいですね」
「105」が「軽・硬」とするならば、万人受けする「120」は「重・軟(おもやわ)」と言えるだろう。まさに対極的なスペックだが、意外と勘違いしているゴルファーも多いため、アイアンのシャフトを選ぶときには気を付けてほしいというわけだ。
また「125」になると、「105」よりも硬く粘り強いしなり方をするのが特徴的。「130」になると、さらに硬くなるため、相当なパワーヒッターでない限りコントロールすることは難しいという。
「数字が小さいほどソフト、アマチュア向けとは限りません。モーダスに限らず名前(数字が大きい)=難しいというわけではないので、こういった情報を頭の片隅に置いておくとシャフト選びの迷いが少しは解消されるかもしれません」
シャフト選びといっても、さまざまなゴルファーがいるため一概に「これが合う!」とは言えないのが難しいところだ。しかし、極力選ばないほうがいいもの、気を付けておくことを知っておくのはクラブを選ぶ上でとても重要のことだ。ぜひ、参考にしてみよう!