日本勢7時44分アウトコーススタートの古江彩佳選手から9ホールついて歩きました。1番はドライバーでフェアウェイ左サイドをキープし奥ピンの右に乗せ、2パットのパーと危なげないスタートを切り、2番パー4ではピン手前にピタリとつけ幸先よくバーディを奪います。以降、古江選手らしい安定感抜群のショットとパットでパーを重ねると、8番のパー5で3打目をしっかりと寄せてバーディとし前半の9ホールは2アンダーで折り返します。
前半の印象は前日に話していた通りの「自分のプレー」ができている内容でした。これなら安心と後半は畑岡奈紗選手の組へと移動しましたが、後半にショット、パットともに乱れ12、13、16番と3つのボギーで後退してしまいましたが17番のバーディでイーブンパーに戻し初日を終えました。
悪くなった後半のプレーを振り返ると「時差ボケもあるのかな」と夜中に目が覚めてしまうことを話していました。その中でもイーブンパーに戻して終われたことは明日に向けて前向きになれますし、予選通過を気にしてプレーすることはないでしょう。
8時6分に10番からスタートした畑岡奈紗選手の後半についてプレーを見てきました。前半の18番でティーショットを池に入れましたがナイスボギーにして後半に入ると、ショットのキレがよくバーディチャンスを数多く作りました。なかなかパットが決まりませんでしたが、5番のパー5で3打目をミスをしてグリーン手前からのアプローチをチップインすると8番パー5でもバーディを奪い2アンダーで終えました。
ホールアウト後の会見で後半にショットがよくなってきた要因を聞くと「アドレスがしっくりきていたのもあって、思い切って振り抜いてけました」とアドレスの感触を話してくれました。帯同する真田和俊トレーナーにパフォーマンスを上げる立ち方について話を聞きました。
「アドレスで自分のパワーポジションで立てると体の出力を上げられるますし、再現性も高くなります。そういうトレーニングを積み重ねて来たことで自分の体の状態と向き合い、いま現在のコンディションから最大限のパフォーマンスを引き出すことができるようになってきています」(真田和俊トレーナー)
自分のパフォーマンスを引き出せる立ち方なんて武術の達人の話のように聞こえますが、その立ち方が大事なのはゴルフでも同じことだと真田トレーナー。軽くジャンプして着地した姿勢が自分のポジションに入るコツだと教えてくれました。
そして午後スタートの渋野日向子選手も、ドライバーはフェアウェイをとらえ、アイアンもグリーンをしっかりととらえます。途中、距離感が合わない場面もありましたがグリーンを外すほどのことはなく、ほかの二人と同様に安心して見ていられる内容でした。
畑岡選手は、フェアウェイキープ14回中11回、グリーンを外したのは3回で31パット。古江選手はフェアウェイキープ14回中11回、グリーンを外したのは3回で33パット。渋野選手はフェアウェイキープ14回中12回、グリーンを外したのはわずかに1回の35パット。
今日のこのスタッツを見ると畑岡選手だけでなく、古江選手、渋野選手のショット力の高さを表していると同時に、グリーン上で苦労したことも表しています。2019年に優勝経験のある畑岡選手ですら手を焼くグリーンは、カリフォルニア独特のポアナ芝で跳ねるように転がり、ラインを読んでもなかなかその通りには転がってくれません。
そうした中、首位に立ったのは7バーディ、ノーボギーの65と圧巻のゴルフを見せつけた世界ランク1位のコ・ジンヨンでした。会見で「ここのグリーンは本当にトリッキーでパットには期待していなかった。残り3日が楽しみ」と話していました。世界中で開催される米女子ツアーで31ラウンド連続アンダーパー、16ラウンド連続60台でプレーしているというので、どれだけの対応力を持っているのか底知れない力を持っていますね。
明日は午前午後の組が入れ替わり、渋野選手は8時50分、古江選手は12時44分、畑岡選手13時6分となっています。明日も現地からのレポートをお届けします。
写真/中村修