3月31日から4日間の日程で開催される今季初の海外メジャー「シェブロン選手権」。日本から出場するのは、畑岡奈紗、渋野日向子、笹生優花、古江彩佳、横峯さくらの5名。プロゴルファー・中村修が現地からのレポートをお届け。

前週は海沿いのカールスバットで「JTBCクラシック」を取材したあと、標高1400メートルの山を越えパームスプリングスにやってきました。パームスプリングスは砂漠地帯にあるオアシスのような土地でたくさんのゴルフコースやリゾート施設が並び避暑地ではく避寒地として冬の間だけ滞在するセレブが多く住む町です。

今大会は1972年に第1回目から開催され、83年からはメジャー大会に昇格しました。ミッションヒルズCCで開催され続け歴史を刻みましたが、今年を最後に会場が移るので大会を惜しむ声が聞こえてきます。前週に引き続き、畑岡奈紗、渋野日向子、古江彩佳の3選手に笹生優花選手と横峯さくら選手が加わり5名の日本勢の出場となりました。

画像: 砂漠に作られたコースらしくほぼフラットながら池やマウンドが配置され、ティー、フェアウェイ、ラフ、グリーンとコンディションの管理はパーフェクトなミッションヒルズCC

砂漠に作られたコースらしくほぼフラットながら池やマウンドが配置され、ティー、フェアウェイ、ラフ、グリーンとコンディションの管理はパーフェクトなミッションヒルズCC

メジャー優勝を目標に掲げる畑岡奈紗選手は、状態はそこまでよくないと話していましたがコースの感触、クラブの感触を確かめながら精力的にラウンドをこなし、水曜日はプロアマ大会でも9ホールをこなしました。フェアフェイが例年よりも少し軟らかくランが少ない分だけ距離が長く感じるので、6884ヤードの長いコースセッティングではフェアウェイキープを心がけたいと話しました。

画像: メジャー優勝に向けて準備を整える畑岡奈紗(写真は2022年のシェブロン選手権 写真/Blue sky photos)

メジャー優勝に向けて準備を整える畑岡奈紗(写真は2022年のシェブロン選手権 写真/Blue sky photos)

コ・ジンヨンらもコーチングするショートゲームのガレス・ラフレウスキ氏にコーチングを受けているとのことでアプローチやパッティングの向上も見られるのではないでしょうか。

続いて渋野日向子選手ですが、400ヤードを越えるパー4がアウトに2ホール、インに3ホールあることに触れ、やはりドライバーの飛距離が大切になってくるので「しっかり振っていかんといけん」と気を引き締めます。まずはしっかりと振り切る渋野選手らしいドライバーショットからリズムをつかめると、乗っていけそうな気がします。前週とは芝質も変わるので練習ラウンドではグリーン周りのチェックも入念に行っていました。

画像: 前週とは違うラフ、グリーンと距離のあるセッティングに警戒しながらも安定したアイアンショットでコースの感触を確かめる渋野日向子(写真は2022年のシェブロン選手権 写真/中村修)

前週とは違うラフ、グリーンと距離のあるセッティングに警戒しながらも安定したアイアンショットでコースの感触を確かめる渋野日向子(写真は2022年のシェブロン選手権 写真/中村修)

このコースのラフはライグラスをオーバーシードしていることもあり、かなり密集して芝が詰まっているので、スピンがかかりにくいことが特徴です。古江彩佳選手のキャディのマイクさんも「58度で打ってもノースピンだよ」と話していたくらいですから、対応力が上がってきてるとはいえグリーン周りのアプローチも難易度は増すことになりそうです。

画像: ライグラスのオーバーシードされたラフは芝が密集していてライ次第ではフェアウェイに出すだけになることも(写真は2022年のシェブロン選手権 写真/中村修)

ライグラスのオーバーシードされたラフは芝が密集していてライ次第ではフェアウェイに出すだけになることも(写真は2022年のシェブロン選手権 写真/中村修)

古江彩佳選手は、グリーン周りの練習も入念におこなっていました。グリーンをと2、3ヤード外しただけで深いラフが待っています。そのためか柔らかく上げるアプローチを重点的に感触を確かめながら練習していました。正確性の高いショット力をもってしても、メジャーならではの距離の長いホールと硬いグリーンのセッティングでは、グリーンを外すことも増えることを想定してのことでしょう。プロアマ大会に出場しない古江選手は、みっちりと練習に時間を当て準備を整えています。

画像: 深いラフ、硬く速いグリーン対策に柔らかく上がるアプローチを練習する古江彩佳(写真は2022年のシェブロン選手権 写真/中村修)

深いラフ、硬く速いグリーン対策に柔らかく上がるアプローチを練習する古江彩佳(写真は2022年のシェブロン選手権 写真/中村修)

笹生優花選手は、非常にリラックスした雰囲気でLPGAの会見にこたえる姿が印象的でした。昨年の全米女子オープンの制覇からツアーメンバーとなりましたが、ジュニア時代を共にした仲のいいディフェンディングチャンピオンのパティ・タバタナキットや前週優勝のアッタヤ・ティティクルと並んでこれからのLPGAツアーで大暴れするひとりとしてこちらでも注目されています。プロアマ大会について数ホール歩きましたが、レーザー距離計で測るとドライバーの飛距離は270から80ヤードくらい出ていましたね。飛距離を生かしながらどんなプレーを見せてくれるのか楽しみです。

画像: 前週優勝のアッタヤ・ティティクル(右)に祝福の声をかけた笹生優花(左)(写真は2022年のシェブロン選手権 写真/中村修)

前週優勝のアッタヤ・ティティクル(右)に祝福の声をかけた笹生優花(左)(写真は2022年のシェブロン選手権 写真/中村修)

最後に横峯さくら選手です。前週の国内ツアーに出場した後の月曜にこちらに到着し火曜日に18ホールをラウンドし、プロアマ大会の今日はショット、パット、アプローチの練習に一日を費やしました。今季から国内ツアーは、ポイントランキングでシード権が与えられるようになりましたが、海外メジャーではポイントが4倍になることもあり出場することにしたといいます。優勝者が池に飛び込むのが恒例の行事となっている今大会ですが「このコースで最後の開催となるので池に飛び込みたい」と話し、飛距離も戻ってきている感触とともに手応えを感じている様子でした。

画像: 開催最後となるミッションヒルズCCの池に飛び込みたいと優勝も視野に入れて初日を迎える横峯さくら(写真は2022年のシェブロン選手権 写真/Blue sky photos)

開催最後となるミッションヒルズCCの池に飛び込みたいと優勝も視野に入れて初日を迎える横峯さくら(写真は2022年のシェブロン選手権 写真/Blue sky photos)

明日の天候は晴れ、湿度40%、気温は朝時の18度から日中は27度まで上がるようです。午前スタートは畑岡奈紗、古江彩佳、笹生優花の3選手が、午後スタートは横峯さくらと渋野日向子選手がそれぞれ2サムでスタートします。引き続きレポートを続けます。

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