練習と本番、そのギャップを埋めるには?
練習ではうまくいくのに、コースでの本番だとうまくいかない。これはゴルファーにとって永遠の課題とも言えますが、少しでもそのギャップを埋めるにはどうしたらいいのでしょう? ゴルフというゲームの難しさは、当たり前ですが、「1回しか打てない」「やり直しがきかない」こと。
その、やり直しがきかない本番で、いかに練習のときのようなパフォーマンスを発揮するか。今回は練習場での練習方法について考えていきます。
普段、練習場に行くとき、目的意識を持っていますか?
運動不足解消、ボールをヒットする快感を味わいたい。もしくは練習場でいいショットを打つことが目的という方もいらっしゃるでしょう。しかし、自分が少しでも上達したい、ラウンドでの結果をよくしたいというのなら、練習の内容にもこだわりたいものです。
まずは練習プランを決めます。たとえば練習時間は90分、200球のボールを打つとします。始めの20球くらいはウォーミングアップとして、残り180球を
【1】課題克服、反復練習
【2】模擬実戦テスト
【3】復習
という3つに振り分けます。
その日決めた課題に取り組む反復練習の後、【2】の模擬実戦テストをおこないます。実際のラウンドのシチュエーションを設定し、本番と同じ緊張感を作り出して一球勝負のテストを課すのです。そしてその結果を受けて、復習の時間を設ける。これを繰り返すのです。
練習を続けていると、「お、わかった! これだ、これなら完璧」と思うようなショットが続けざまに出て、「完璧、もう自分のものになった!」と思える瞬間があるものです。でも、そのイメージを保ったままコースへ行ったものの、実戦では何ひとつ再現出来ず、「こんなハズじゃない!」と元の木阿弥……そんな体験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
いいショットが続き、「これだ!」と思ったとき、この「実践テスト」をやってみて下さい。
たとえば7番ホール、ここまでわずかワンボギーで来ている。30台も夢じゃない。セカンドショットは残り120ヤード、打ち上げアゲンスト、ピンは左奥だけどオーバーしたら即OB、でも手前の深いバンカーだけは避けたい。ここをパーで凌げば……。
そう、シチュエーションはコース状況だけでなく、ゲームの流れとそれに伴う自分の心理状況まで設定するのです。 これだけいろいろと背負った状態で、さっきのイメージ通りの動きが出来るのか?自分への期待や不安の中で、1回しか打てない重圧に打ち克つ。そう考えたら数発のファインショットで、有頂天になっている場合じゃない、と思えるハズです。
こうしてより実戦に近い状態を体験することで、緊張感を持った練習ができ、コースでの「本番力」をアップすることが出来ます。また、余裕があれば練習途中で打席を変える、というのも本番力アップに繋がります。
練習場の右端と左端では目標までの景色が大きく異なります。少しネットがせり出して来ているだけで、振りにくく感じたりします。そうした状況で自分がどう感じるのか。それを確かめるだけでも、コースでの対応力を養うことが出来ます。また、2階打席と1階打席の違いを確認することも打ち上げ、打ち下ろし、のショットの疑似体験になります。
黙々とボールを打ち続け、自己陶酔に浸る。一球毎の結果に一喜一憂し、ストレスを溜めるだけ。そんな練習では実戦でほとんど役に立ちません。仲間と一緒ならゲームを交えて練習するのもいいし、打席にシュミレーション機能の付いた練習場もありますので、それを上手く利用するのもいいでしょう。
練習の時から出来るだけ本番に近い設定に自分を置いてみる。そうした意識を持って本番に強いゴルファーを目指しましょう。