クラブフィッターの小倉です。今回はお客様からよくいただくご依頼から。
「クラブに傷がついちゃったけど、これ取れる?」とクラブをお持ちいただくことが多々あります。せっかく購入したクラブに思いがけない傷がついてしまうのは、誰でも悲しいですよね……
バンカーやベアグラウンドなどでついてしまう使用に伴う傷ならまだしも、落としてしまった、気づいたら塗装が剥げていたなど、思いがけない傷はショックが大きいものです。そこで今回は、自分でできるクラブの傷のリペア方法についてお話したいと思います。
お客様からのお話で多いのが、傷ではないのですがソールにマットの緑色の跡が付いたというご相談です。これは摩擦による熱でマットの芝(?)がヘッドに付着するのが原因。
ヒートガンやドライヤーなどでヘッドを温めてから軽く擦ると意外と簡単に取れます。
これと同じように傷ではないけど、頑固で取れにくい汚れにボールの打痕がありますね。
塗装のされていないフェースならば、メラミンスポンジなどで軽く擦ると取れやすいです。あまり強く擦ると傷になりますので気をつけてください。
厄介なのが、テンプラなどでつくクラウンまで食い込んだ打痕。細かい傷を気にしないならメラミンスポンジで対応できますが、丁寧に取るとなると、車のボディなどに使う「傷消しコンパウンド」が有効です。
車用の「傷消しコンパウンド」は、ボディの塗装面の傷を隠すにも有効です。ドライバーなどの塗装は、車と同じように複層になっていますので、完全に金属が露出していなければ、かなり傷を薄くすることができますよ。
残念ながら、がっつり金属が出てしまっているような傷は、油性マジックか、色が近い車の塗料を薄く塗ってごまかすぐらいしかできないですね。
ドライバーなどのカーボンシャフトは、バッグから抜き差しする際に、ほかのクラブや突起部分に擦れるので、擦り傷が発生しやすいです。傷ではなく、プラスティックなどが擦れて付着しているぐらいなら、爪やメラミンスポンジで軽く擦れば取れます。
でも気を付けたいのがIP加工などの技術を使った塗装のシャフト。普通に使っているぶんにはまったく問題ないのですが、長く使ったシャフトで塗装に傷がつくとそこから割れるようにパラパラと剥がれ落ちてしまうことがあります。下手に手入れをしようとすると傷が広がってしまう可能性がありますから、あまり触らないようにしましょう。昔セロハンテープを貼って広がりを防ごうとこころみましたが、セロハンテープを貼ったところが、全部塗装が取れてしまいました……
シャフトは、傷が原因で折れてしまう事もありますので、あまり触らず、気になるなら工房やショップなどで見てもらうことをオススメします。もし使用中に折れたら危ないですからね。
傷を防ぐにはやはりヘッドカバーが効果的。ヘッドだけでなくシャフトの一部までカバーするモデルを使用し、ていねいに使用すれば、使用以外の大きな傷はつかないはずです。また最近では、ウッド類のヘッドコーティングをしてくれるところが増えてきています。事前に施しておけば、傷がつきにくくなりますから、気になる方は是非やってみてください。