「スコッティ・キャメロン」のパターと言えばタイガー・ウッズや松山英樹、ブルックス・ケプカなどが使う、「ニューポート2」をイメージする人が多いだろう。しかし、最近ではジャスティン・トーマス、ウィル・ザラトリスをはじめとしたマレットタイプの使用率が高くなってきている。
そのツアーのフィードバックを受けたのがこの新シリーズ、「PHANTOM X」(ファントム エックス)だ。
前作の「PHANTOM X」からどのように変わったのか? 「スコッティ・キャメロン」だけでなく「ピン アンサー」をはじめとしたパターの研究家で現在はフィッターとしても活躍する「ACTEK GOLF」の遠藤仁史氏とともに進化を探ってみた。
2019年モデルの「PHANTOM X」はアルミ製のボディとフェースが一体型となっていたが、今回のモデルは昨年登場した限定モデルと同じく、303ステンレス削り出しのフェースとボディになっている。(PHANTOM X12はアルミ製のフェースとソール)
「一般的に軟らかいといわれますが、じつはアルミの打感って独特なんですよ。オデッセイなどのインサートパターの軟らかさとも違って、弾き感がなくボヤっとしてる。新しい「PHANTOM X」は実際に試打してみても打感がいいですね。ソールを見るとわかるのですが、フェースのボールが当たる部分に厚みがあり、これが利いていますよね。『ニューポート』などを打ったのと同じようにソリッドな打感です」(遠藤氏)
この打感ならブレードタイプの「スコッティ・キャメロン」を使っている人でも、打感が近いのでマレットに移行しやすいという。そしてこれこそがほかのパターとは違う部分だと続ける。
「意外とフェースがステンレス素材のマレットパターって存在しないんですよ。樹脂インサートが多く、あとはフェースの部分がアルミとか。だから硬めの打感のマレットを求めている人は多いと思います。「セレクト」系はノンフェースバランス、「PHANTOM X」系はフェースバランス、少し操作性が欲しいならショートスラントの「.5」がついたモデル。キャメロンのパターを使う人はとても選びやすくなったのではないでしょうか。「7」はシュッとなって構えやすいですね」(遠藤氏)
そして最後に遠藤氏が注目したのはネック部分。
「よ~く見ると、溶接でなくパーツに変わりましたね。これなら同じヘッドでネックの部品を変えることによってタイプ違いを作ることができる。生産効率も上がるし、ツアーではスペシャルバージョンとか多く出そうですね」
と、さすがはそして自身でもオリジナルのパターを製作しているだけあって細かいポイントを挙げてくれた。
ヘッドはジャスティン・トーマス使用モデルに近い「5.5」、ツアーで要望が高かった「7」、従来人気が高かった「5」と「11」を足したような「9」など、7モデル。今後追加モデルも登場予定だ。