2月に発売され、発売当初は空前の人気となっていたテーラーメイド「ステルス」ドライバー。早くもギアの有識者やすでに購入した人たちから、様々に評価されているのが、意外と多いのが“難しい”という声だ。
飛距離が大きく伸びたという声も少なくない中で、上手くいかなかった人の感想として多かったのが、「ボールが上がりにくい」、「つかまらない」、「左右の曲がりが大きい」などといった意見だった。460ccでありながら、構えるとコンパクトな見た目で、このあたりも難しいと感じさせる要因となっているだろう。そのためヘッドスピードが速くて、自身でボールをつかまえられる中上級者向けのドライバーといった評価が、現状は多くなっているようだ。
そうした評価はとくに、セレクテッドストア限定の最も上級者向けのモデルである「ステルス プラス」に多い。
「ステルス プラス」は、先日世界ランキング1位となったスコッティ・シェフラーをはじめ、コリン・モリカワやローリー・マキロイ、ダスティン・ジョンソンらのPGAツアー選手たちもこぞって使用している。その点もなんだか難しそうと思われる一因だろう。
ところが、国内女子ツアーでは意外にもこの「ステルス プラス」の使用者が少なくない。
今年、新たに契約した鶴岡果恋、新垣比菜をはじめ、山路晶、松森彩夏、大西葵といった選手が選択している。「ダイキンオーキッドレディース」に出場した、ベテランの諸見里しのぶも「ステルス プラス」だった。
かつては「ゼクシオ」の看板プレーヤーであり、実際に「ゼクシオ11」を愛用していた新垣比菜が、同社のラインナップ3機種の中でもっともハードな「ステルス プラス」を選んだのは興味深い。いっぽう、より直進性が高くやさしいという位置づけのノーマル「ステルス」を選ぶ選手もいて、永峰咲希や新契約を交わした岡山絵里がノーマルの愛用者だ。
男子プロほどパワーのない女子プロたちの好みが、これだけ「ステルス プラス」に傾くのは面白い現象だ。
その理由をメーカー担当に聞いてみると、
「まだシーズン序盤で、各プロともいろいろテストをしていて、『ステルス』と『ステルスプラス』を両方使用している選手もいます。『プラス』が選ばれている理由ですが、よりスピン量が抑えられて、飛距離が伸びているケースが多くなっています」とのことだった。
当然のことながら、女子プロたちは、“これは難しいモデル”といった先入観はなく、テストして結果が良いものを選んでいるようだ。試合を重ねて、彼女たちのドライバー選びがどう変化するかが楽しみだ。