クラブフィッターの小倉です。今回は編集部からきたお題でお話したいと思います。
そのお題とは「ゴルフクラブは重いのと軽いのはどっちがいいのか?」です。クラブフィッターとしての答えは、直接スウィングを見せて頂いたうえで個々に合わせたベストなスペックをおすすめする!
……ですが、そうもいきませんので、私なりの重めのクラブを勧める方、軽めのクラブを勧める方の判断する基準、そして重さ、軽さのメリットデメリットをお話したいと思います。
最初に答えを書きます!
軽めをオススメするゴルファーは、
「一発の飛びを求める」
「アイアンだって距離が欲しい」
「スイングテンポがとても速い」
「ダフリのミスが多い」
重めをオススメするゴルファーは、
「安定感を重視する」
「縦の距離のバラつきを減らしたい」
「トップのミスが多い」
といったところでしょうか。
軽いクラブは、スウィング中に発生する抵抗が少ないため、クラブが動かしやすく、ヘッドスピードを高めやすくなります。その反面、力んだり、打ち急いだりするとクラブに余計な挙動が伝わりやすいといった部分もあります。軽すぎるクラブによるミスの傾向は、トップなどの薄い当たりが増加します。
私が軽めのクラブをオススメするケースは、ある程度スウィングスキルがあって自身でしっかりクラブを振れる場合、そしてスウィングテンポがとても速い場合です。
軽さによってヘッドスピードが稼ぎやすいというのは、言い換えれば自身が速く振らないとそうならないということ。しっかり「振る」、つまり飛距離を強く意識した方でないと、軽さによってだんだんと無意識に振ることをサボってしまい、ヘッドスピードが落ちてしまいます。そうするとただの飛ばないクラブになってしまいますからね。それと軽いクラブで安定してミートさせるのは、それなりにスウィングスキルが必要になります。
スウィングテンポがとても速い方は、テークバックから比較的早めにクラブを動かし、切り返しでクイックな動きになります。その時にクラブが重すぎるとその動きについていけず、振り遅れに繋がりやすいです。そのまま使っていると、自身のタイミングで振れなくなり、どんどん”振れなく”なっていきます。
またダフリのミスが多い方は、単純にクラブが重過ぎる可能性がありますね。上がり3ホールでダフリのミスが増える方は、重さを疑いましょう。
「重い」は、重さを感じながらスウィングがしやすいため、スイングテンポを保ちやすいです。その反面、急激に速く動かすのが難しくなるため、フルスウィングしても極端にヘッドスピードを上げたりするのが難しくなります。重すぎるクラブによるミスの傾向は、ダフリや振り遅れです。
私が重めのクラブをオススメするケースは、「安定感」を重視する場合です。スウィングスキルがなくても一定したテンポでスウィングしやすくなるので、ミスを軽減しやすくなります。とにかく安定したアイアンショットが打ちたいと考えていらっしゃるのであれば、ミスに強いアイアンで振れる範囲の重さのスペックにすると安定感は高めやすいです。
私のクラブ重量に対する基本的な考え方は「18ホール振れる範囲の重量」というもの。
平たく言えば、振れる範囲の重さのあるクラブです。理由は、重さがある程度ないとミート率を高めるのが難しくなるから。その重さは、その方の体重、おもに上半身の肉付きとスウィングスキルを見定めて判断します。クラブの重量はクラブの長さと密接な関係にありますので、明確な数値を出すのが難しいですが、自身で振ってみて、「ちょっと重いかな?」ぐらいが18ホール振れるぐらいの重さに近いと思います。
安定感を求めるなら「重め」。一発の飛びを求めるなら「軽め」。といったところが私の考えですね。