助走なしで前方にジャンプする「立ち幅跳び」や50センチから70センチ以上の高さの箱の上にジャンプして飛び移る「ボックスジャンプ」といった運動が、飛距離に直結するトレーニングになると、近年の研究で明らかにされてきている。ここで重要になるのがハムストリングスの柔軟性だ。太ももの裏側にある太い3つの筋肉の総称を「ハムストリングス」と呼び、柔軟性が低下すると、骨盤が後掲して腰痛の原因になったり、ひざが伸びなくなったりと、地面をしっかりと踏んで反力を得て回転力へと変換する地面反力も使いにくくなってしまうと小楠トレーナー。
ハムストリングスの柔軟性を確保することで骨盤の傾きや股関節のポジションにも好影響があるという。さっそくハムストリングスのストレッチを教えてもらった。
「まずは、椅子に浅く腰掛けます。骨盤を起こして上半身の体重を股関節で支えるように座ります。そこから伸ばす方のつま先を上げ、背中が丸くならないように背筋を伸ばしながら上体を前に倒します。このときクラブを使って腕を伸ばして倒すと、背中から股関節周りにかけても効き目が感じられます。片方10回を1日に何度かこまめにやると血流も上がって仕事の効率もアップすると思います」(小楠トレーナー)
続いて同じく飛距離に大きく関係しているお尻の筋肉のストレッチもやってみよう。
「同じく骨盤を起こして浅く座り、足首をひざの上にのせて足を組みます。そこから背筋を伸ばしたままゆっくりと上体を前に倒します。上体を真っすぐに倒すようにしながら股関節周り、お尻の筋肉が伸ばされている感覚を意識しましょう」
どちらのストレッチも呼吸を止めずに無理のない範囲で始めることが大切だ。朝の練習前や午後のスタート前にやることでケガの予防にもつながるし、柔軟性が上がれば下半身をしっかり使えるようになって飛距離の低下も最小限に抑えてくれるだろう。お試しあれ。